【鬼滅の刃】呼吸は肺から、魔法は器から【男主】

百十八話　初任務をこなす者 ページ40

「初任務が"柱との合同任務"って殺す気かよ本当」



「憑代ヨ。貴様ガ弱音ヲ吐クトハ世モ末ダナ」



「るっせぇクソ神。つーかなんだっけ？その恋煩いみたいな柱は、女？」



「恋柱。並ノ人間ヨリモ筋肉密度ガ高ク柔軟性ニ長ケタ者。憑代ラガ求ム人柄ナリ」

　

「……へー、随分とベタ褒めじゃねぇの。明日は世界が滅ぶかなぁ」



「黙レ下等生物風情ガ」



「そう言うとこだぞお前」




_____走り続けて数十分。



こんな言い争いをしているが、足を休める事など一度もない。




冨岡邸で指令を受けたあと直ぐに発ったのは良いが、いくらなんでも遠すぎやしないかなと。
Aは、全速力で駆けながら思った。







全速力じゃなくてもいいだろうと言いたいが、何せ目の前を飛ぶ梟が全速力で走らねばついていけない速度で飛行するものだから、それなりに走らないと行けなくなってるわけで。







またそれにイチャモンを付ければ、また跡形もなく消し飛ぶだろうし。







_____そんなモヤモヤを抱えながら、遠くにチラリと見えた、街。







あ、と声を漏らして、Aは足を緩めた。







フロウがそれに気がついて、Aの左肩に止まる。
クルクルと鳴きながら、首を一回転させた梟。





「彼処デアル。恋柱ノ気配ハマダナイ」




「…仮にも柱だろ、十分前行動とかしねぇのか………非効率だな全く」




「効率効率ト、イツカ貴様ノ頭ガ"残念"ニナルゾ」





「余計なお世話だ」





_____ああ言えば、こう言う。
神に理屈など通らないのは重々承知だが、それでも合理的に物事を進めてしまいたい欲が湧き出てしまう。









Aは、海色の瞳を細めて、緩めていた足をまた速めた。

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