1 ページ1
.
「あの人、かっこいい…」
.
最初に先輩を見たのは、学校祭だった。
まだ中学生だった私は、志望していた高校の学校祭に遊びに来ていた。
その途中で、
友「ねえ！もうすぐ人気バンドの演奏始まるって！行こうッ！」
なんて言って、一緒に来ていた友達が私の腕を強く引いて走り出した。
バンド演奏が行われるのは、その高校の第一体育館。
少し息を切らしながら中を覗くと、暗闇の中にたくさんのライトで照らされたステージが目に入る。
その周りには既にたくさんのオーディエンス。
正直、たかが、学生のバンド…そう思っていた。
友「A！あっち行こう！」
なのに、その時一緒にいた友達は興味津々なのか、前に行こうと私の腕を引きながらぐんぐんと足を進める。
私、そんなに興味ないんだけどな……
何て思っていたら、ドラムスティックでカウントをとる音が聞こえて。
その音に反応して顔を上げると
そこはもう、別世界で。
ああ、引き込まれる、そう思った。
その中でも、一際目立つ存在。
それが、真ん中で力強く歌う、先輩だった。
あんな華奢なカラダのどこからあんな声が出るのか、考えてもまるでわからなくて。
さっきまで、興味なかったはずなのに。
聴こえる音に、声に、自然とカラダを揺らす、自分がいた。
.
友「いや〜、やばかったね！」
そんな友達の言葉も私の耳には届かなくて。
そこから動けないまま。
友「…A？」
「あの人、かっこいい…」
もう、私の視界に映るのは、あの人だけ。
全神経が、あの人に集中する。
歌い終わり、ギターやマイクを片付けるその姿から目を離せないでいると
「えっ…」
ギターケースを持ち上げた時に、チラッとこっちを見た先輩。
一瞬だけ、目があったような気がした。
なんて、綺麗な瞳なんだろう。
…ああ、私、ゾッコンだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりごん(プロフ) - いちさん» ありがとうございます！また、甘い甘い渋谷さんの作品をお届けできたらいいな、と思っているのでその時も応援よろしくお願いします(^^) (2017年2月1日 8時) (
レス) id: 06675e49e6 (このIDを非表示/違反報告)
いち(プロフ) - はじめまして 、完結おめでとうございます！ 甘い甘い渋谷さんに ずっと 、きゅんとしてました( ´ ▽ ` ) お疲れさまです …！ (2017年1月30日 23時) (レス) id: e4f0d46998 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりごん(プロフ) - 花火さん» コメントありがとうございます！きゅんきゅんさせられているようで、作者としても嬉しいです(^ ^)更新、頑張ります。 (2017年1月5日 12時) (レス) id: 06675e49e6 (このIDを非表示/違反報告)
花火 - めっちゃこの作品面白い！きゅんきゅんしまくりです！更新楽しみに首を長く待ってます(^o^) (2017年1月4日 20時) (レス) id: 73f13953fa (このIDを非表示/違反報告)
ゆりごん(プロフ) - あんちゃさん» 有難うございます(^○^)更新頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします。 (2016年12月27日 22時) (レス) id: 06675e49e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりごん
| 作成日時：2016年12月25日 21時
