悪魔祓いと黒い夕焼け 3 ページ34
家に戻る最中、スマイルは質問攻めに遭っていた。主にBroooockがあれこれ聞き、困惑しながらスマイルが答える。
「スマイルは、あくまと友だちだったの？」
「ぃや、別に……見えねぇから」
「……へぇ〜」
Broooockの質問は、きっと自身のことに重ねているんだろう。彼の表情はここからは見えないが、小さな身体がどこか寂しげに思えた。
……悪魔のことといえば、シャークんのこともまだ分からない。もしも彼に悪魔が見えているのであれば、何かしら原因があるはずだ。横目で彼を見る。少し不機嫌そうではあるが、いつもとそう変わりは無い。
「あ、じゃあさ〜スマイルはどの部屋でねるの？」
「し、知らねぇ」
「まだ空き部屋はあるから、どこか片付けよう。それまで、どちらかの部屋にいてもらってもいいかな」
今は、元あった空き部屋の内二つを、それぞれシャークんとBroooock、Nakamuときんとき、という振り分けで使ってもらっている。とはいえ、ときどき部屋の交換やらメンバーの交代やらして、自由にやってくれているようだ。
「え！ じゃあぼくたちの方に来てよ〜！」
「……どっちでもいいし」
「じゃんけんで決めようよ」
「あっち向いてホイにしようぜ」
そんな会話を聞きながら、祝祭の街を歩く。冬の太陽は既に傾き始めており、長い影を作った。
じゅくり。
右肩がまた痛みを主張する。気持ちは焦るが、子ども達も一日歩いて疲れている。いつもよりも、ゆっくりと歩いた。
家族の増えた家は、以前よりもずっと賑やかだった。日没と共に降り出した雪は、幻想的な景色を見せる。
お互い隠し事は絶えない。私も、みんなも。繕っている間は、きっと私は彼らに向き合えない。向き合う権利なんて無いような気がしてしまう。みんなのことは知りたいが、自分を知られたくはない。それは傲慢なこと。無邪気に笑い合う姿に、少し胸が苦しくなった。
「マスター、だいじょうぶ？」
淹れたての紅茶に口をつけようとしたとき、そう声をかけてきたのはBroooockだった。
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葡萄(プロフ) - 名無しさん» 名無し様、コメントありがとうございます。世界観は特にこだわっておりますので、そう言って頂き本当に嬉しいです。明日以降もたくさん楽しんでいって下さい。 (2023年3月28日 22時) (
レス) id: 174f99a722 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - まずは、4章までの更新お疲れ様です。世界観の作り込みが本当に細かく、一話毎に感想を伝えられないのが残念です(笑)お体にお気をつけてください！更新楽しみにしてます。 (2023年3月28日 20時) (レス) @page42 id: 8b083f4a7d (このIDを非表示/違反報告)
葡萄(プロフ) - 名無しさん» 名無し様、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉、大変励みになります。実は雪の降る頃は非公開でしたので、まだ読めなかったんです……季節外れですが、楽しんで頂ければ幸いです。今後も頑張ります！ (2023年3月18日 19時) (レス) id: 174f99a722 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - とても読みやすい文章で、心情の表現や描写も素敵です！雪の降る頃に見つけられなかったのが悔やまれます(笑)陰ながら応援しています。更新頑張ってください！ (2023年3月18日 19時) (レス) id: 8b083f4a7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葡萄 | 作成日時：2021年5月13日 17時
