よろしい、ならば反撃だ(笑)【鬼滅の刃】

佰拾 ページ10

「おはよう 獪岳くん、どうして泣いてるの」

獪岳「っ… よかった……よかった、」



ギュッと
私の存在を確かめるように抱きしめてくる
嗚呼、暖かい、

ねぇ、獪岳くん、私…


「泣かないで獪岳くん、私、私…ずっと獪岳くんに言いたかったことがあるんだ」

獪岳「嗚呼…」

「ごめんね 私 獪岳くんとの約束何も守れてなかった…獪岳くんのために鬼殺隊に入ったのに」

獪岳「…もう、いいんだ… それ、だけでっ お前には…もう充分貰った…だから…っ、でも」

「…うん」

獪岳「わが、まま… ひとつ…だけ、言っても……いい、か？」

「ひとつじゃなくていい、何個でも何回でも、言って」

獪岳「…し、…くれ」

「…うん？」

獪岳「あ、いして…ほしい、… もう嫌なんだ…もう、俺は…、」



抱きしめる力が強くなり、体が震える


愛に飢えている、
そう簡単に言えたらどんなに簡単だろうか、その一言を人間は言えずにどんどん壊れて言ってしまう


…どうして、もっと早く言ってくれなかったんだろう、どうしてもっと早く気づいてあげられなかったんだろう、…いや、違う、違うよ、
本当は気づいてた、でも私は無視してた

助けて、俺を見て、
そういう獪岳くんのSOSを私は無視していたんだ

嗚呼、私の馬鹿野郎
言葉にしないと伝わらないだろう
そんな事私が一番知ってる事じゃないか

獪岳くんは、私とみんなと違うんだ、
無償の愛、普通はみんなが貰うはずの愛を
持っていない 貰ってないから…



涙が溢れて止まらなかった
私に泣く権利なんかないのに、


「愛してるよ、ずっと」

獪岳「……嘘だ」

「嘘じゃない、愛してるよ…ずっと、今までも、これからも、」

獪岳「…俺を…？」

「うん、」

獪岳「どうしようもない…出来損ないを？」

「うん」

獪岳「……いいとこなんて、何も、…壱の型も出来ない…こんな、」

「……私は獪岳くんのことそんな風に思ったことなんてない！！ 自分は自分でしか本当に愛してあげられないんだ！なのに！なんで自分で自分を否定するんだ！自分だけは、自分だけは自分を否定しちゃ駄目だ、」

「…獪岳くんが思ってるより私は獪岳くんの事が大好きなんだよ、？」

「…分かってよ、…私は、私は…」


嗚咽で言葉が途切れ途切れになる
二人して泣きじゃくりながら、鼻水をすすりながら 向かい会い 話す様子は あまりに滑稽で、悔しくて なんとも言えない感情が私の心を渦巻く


獪岳「……」

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