嘘つき達の傍観者

置いてかないで[完](番外編) ページ20

それから3日が経ち、医者が言うには
Aはもって1日、早くて今日、


夏目は病室で1人ぼーっとしている



つむ「…夏目くん、林檎むきましたよ〜？」

夏目「…」

つむ「もう4日も食べてないんですから…」

夏目「…」

つむ「…置いときますね」

宙「ししょー…」

つむ「行きましょうか宙くん」

宙「また来ます！」









2月4日
そして時刻は午前6時

日の出の少し前




夏目はAの病室に来ていた。

4日前とはまるで別人のように目の下にはクマが、元々細い体は更に細く、そして窶れていた。








夏目「Happy Birthday…ボク」

A「…」

夏目「好きだヨ…A」

A「…」

夏目「…ハハ」






ピッ…

本来なら学院で祝って貰える筈だった。

ピッ…

Aと一緒に朝登校出来る筈だった。

ピッ…

世界一幸せな日を過ごす筈だった。



ピーーーーーー

1番聞きたくない音が流れる。


A「…」

夏目「置いてかないでヨ」

A「…」

夏目「…君もまたボクを置いて行くんだネ」

A「…」

夏目「愛してるヨ…」



そして
静かに触れるだけの口付けをする。



夏目「…ボクもうAくんの事友達として見れないかラ」



そう微笑み、夏目は手に持つギラギラと光るそ̀れ̀を見る。


夏目「センパイが持って来た果物ナイフがこんな所で役に立つなんてネ」




夏目はAの眠るベッドに入りそ̀れ̀を自分に向けて振り上げる。


グシャッ…

ポタ…ポタ…ポタ…ポタ…




夏目「…ごめんネ…にい…さん達……皆…」


夏目「…A」









彼らの死亡が確認されたのは午前9時

学院を休んで夏目の誕生日を祝に来た五奇人、そして宙、つむぎ、スバル、真

第1発見者は宙、今は泣きながら夏目とAが取ったぬいぐるみを抱えている。



死体の様子は
夏目がAを抱いており
そして2人の顔はとても穏やかだった。









「あっ！！〇〇きゅん！！」

「フフッ…久しぶりだネ♪」

「てか来るの早過ぎ！？」

「ボクは〇〇くんが居ないと生きてけないからネ…♪」

「あー好き」

「…今度は置いてかないでネ？」

「…もちろん！我がPrincess☆」

そんな会話が学院のどこからか聞こえる









幸せなとは

愛とは

なんでしょう

貴方は愛する人の為なら死ねますか？

愛する人の死に耐えられますか？

一件Bad endに見えるこの物語

彼らにとってはHappy end なのかもしれませんね









END

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