TRUE COLORS ページ5
.
Aは噎せた。
なぜなら、彼女はその特徴すべてが当てはまる人物を知っている。
だから、噎せてシュークリームを喉に詰まらせた。
「ケホッ、ケホッ、っはぁ……死ぬかと思った…」
喉に詰まらせたそれを珈琲で胃に流し、ようやく彼女は息を整えた。そしてこれじゃあ糖分を取った意味が無いな…とカロリーを摂取したことを少しだけ悔いた。
その様子をコナンは焦ったように見つめ、赤井はしばらくAの背中を摩っていた。
「それで、そのバーボンって男の事よね…?おそらく偽名が安室透で、幼い頃のあだ名がゼロで、公安に所属してるかもしれないって言う…」
「ああ、そうだ。その様子だと知っているようだな」
「調べるまでもないわ…彼は私の上司でアンジュの部下なんだから…」
「君の上司、ということはやはり彼は公安か」
コナンと赤井の瞳が鋭く光る。
全く、彼らはどうやってここまで調べたのだろうか、とAは若干呆れた。
そして、ここまで分かっているのなら隠す必要はなさそうだ、とも。
「えぇ、警察庁警備局警備企画課所属の、降谷零。バーボンとして組織に潜っている身だから、第三者に話していい事ではないけど、今回は事が事…もちろん、私にもこの後どうするのか教えてくれるのよね?」
「あぁ…だがその前に、このボウヤの疑問を解くことにしよう。お前の正体も含めてな」
「そうね、そうしましょうか」
と、Aはもうひとつ、シュークリームへと手を伸ばして話し出した。
「私の名前は秋間A。篠咲良は偽名よ。公安に所属していて、降谷さんの部下に当たるわ。彼と私は同時期に組織に潜入したけど、私の方が功績を挙げたのが早かったから、バーボンは私の部下になったわけ。因みに、組織でのコードネームはアンジュ。知っての通り、お酒の名前ね。組織ではアンって愛称で呼ばれてるわ…私の髪が赤毛っぽいからかしらね?」
Aはそう言って、自身の髪の毛をくるくると弄び始めたが、コナンは会ったばっかの人間にそんなに話していいのかよ…と頬を引き攣らせた。
172人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:i | 作成日時:2018年5月4日 18時