E G O 【levi】 (ページ27)

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認識した日2 ページ27

私も、人類最強と言われているその人に、全く興味がないわけではなかった。

「どんな人なの、リヴァイ兵長て。」

私の質問に少し考えてロルフは答えた。

「んー、意外と小柄。」
「へえ、どんくらい？」
「お前くらい？いやもうちょい小さいかも。」
「えっ！男で？ちっさ！」

私より少し低い、ということは大体160くらいだろうか？
成人男性でそこまで低い人なんてそうそういない気がする。

「えー、まじか意外。」

私がそう言うと、ロルフは頷いて言った。

「結構若く見えるけど、いくつなんだろ。」
「童顔てこと？」
「いや、童顔ではない。」
「じゃあ背が低いからか。」

そんなことを言いながら、呑気に笑っていた私だが、次の瞬間、衝撃を受けることになる。

ふと、食堂に入ってきた人物が目に入り、声を漏らした。

「げ。」
「ん？」

私が上げた声に、隣のロルフが反応する。

「どうした？」
「あの人だ。」
「ああ、お前がやらかした人か。」

私の心底嫌そうな表情を見て、ロルフは察するように呟いた。それに私は頷きで答える。

「どの人？俺まだ見たことないんだけど。」
「今入ってきたガキみたいな奴だよ。」
「今入ってきたガキみたいな奴？」

私の言葉を復唱し、その人物を探し出すロルフ。
私はその隣で、あの男と視線が合うことを恐れ、なるべく見ないようにしていた。
しかし、隣の男はその人物を見つけ出すことができなかったのか、再び私に問いかけた。

「え、どんな人？」

私はそのもどかしさに、少し苛立って答える。

「だから、ガキみたいに背が低くて。」
「うん。」
「頭刈り上げてて。」
「……うん。」
「めっちゃ目付き悪い奴。入ってきたろ今。」
「……。」
「ロルフ？」

だんだんと小さくなっていく返事に違和感を感じ、私は名前をよんだ。
すると、ゆっくりとそいつはこちらに向き直り、憐れみの視線を向けて口を開いた。

「……お前、本当にやらかしたな。」
「なんだよ。」
「あの人だよ、リヴァイ兵長。」
「え、なに？どこ？」
「だから、お前がやらかした先輩。」
「それがなに？」
「その人リヴァイ兵長だってば。」
「……。」
「……。」

「………………え？」

こうして、私の約3週間に及ぶ
『対リヴァイ極力自然に奴の視界から外れるよう気配を消して生活する作戦』は幕を開けたのだった。

しかし、後日聞いた話によるとこの作戦はどうやらバレバレだったらしく、奴に私の存在はしっかり認識されていたらしい。
……が、この時の私がそんなこと知るはずもなく、約3週間、ひたすら奴の前では影を薄くするよう心がけていくのだった。