06 ページ42
「あなた、だあれ？」
私は今度こそ本当に固まった。
おかあさんはそんな私に気付かずにきょろきょろと辺りを見回すと、また首を傾げる。
「あら？私の夫はどこ？ねえ、あなた、どこにいるの？」
おかあさんはそう呟くと、ふらふらと立ち上がって玄関へと向かう。
私は待って、と引き止めようとするけど、声がうまく出てこなくて。
おかあさんはそのままブツブツとなにかを呟きながら、固まったまま動けない私を置いて、裸足のままおうちを出て行った。バタン、と扉は閉められて、いつの間にか本当に独りぼっち。
おかあさんは、二度とおうちに帰って来なかった。
暗転。
気付けば、私は見知らぬおばさんに手を引かれている。
おとうさんも、おかあさんも、おばあちゃんもみんな居なくなってしまった。
独りぼっちの私は、もう誰も面倒を見てくれる人がいないから、どうやら親戚のおばさんに引き取られることになったみたい。
でも、おばさんはいつも嫌そうな目で私を見る。
外聞？が悪くなると困るから、私を引き取ったんだって。
でもやっぱり私が居ると邪魔だから、ほんとは早く出てって欲しいっておばさんはブツブツ言っていた。
「あんたなんか早くどっか行ってしまえばいいのに」
おばさんは舌打ちをしながら今日もそんなことを言うから、私は思わず俯いた。
私だって、好きで独りぼっちになったわけじゃないのに。
そういえば、私のためにお金を出すのは嫌だから、と結局幼稚園には通えてないなぁ。
おかあさんとふたりぼっちのときに慣れてしまった家事をやるのが最近の私のもっぱらの仕事。
でもやっぱり失敗することがあるとね、おばさんすごく怒るの。
あーあ、今日も間違えてお皿を落っことしちゃったから、お夕飯は抜きかなあ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 364人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美由紀(プロフ) - うまくかけるかわかりませんが、承りました！ (2016年12月15日 18時) (
レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 美由紀さん» わあ、ありがとうございます！！誰でもいいのですか！では、豪炎寺と夢主を一緒に描いていただいてもよろしいですか！？楽しみにしております（≧∇≦） (2016年12月15日 18時) (レス) id: 6579473a90 (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - 夢主ちゃんを書いてもいいですか？リクエストがあれば言ってください！〇〇くんと一緒にとか (2016年12月15日 16時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
碧(プロフ) - 光希さん» 設定に上げさせて頂きました！応援ありがとうございます、頑張りますね〜！！ (2016年11月25日 16時) (レス) id: 6579473a90 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - 碧さん» 設定の方に！？ど、どうぞ！！これからもずっと応援してます！！ (2016年11月25日 8時) (レス) id: 476a1e2e74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Aoi | 作者ホームページ：http://nanos.jp/aika398/
作成日時：2016年9月22日 8時
