優しさは、時に棘になる (ページ4)

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〈髪の毛乾かす？〉

「え？」

住む場所がそもそもなかったからカフェの上にある阿部さんの家に住むことになってから驚きしかなかった

阿部さんのお家は難しい本ばっかだし料理は案外得意じゃないらしいしお風呂から出ると当たり前かのようにドライヤー片手に乾かす？なんて聞いてくるし、

〈ほ、ほら、か、乾かさないと風邪引くから！〉

あーなんでこういうときに彼を思い出してしまうのか

まだ全然忘れられてないじゃないか

「そんな焦らなくても大丈夫ですよ？じゃあお願いします！」

〈う、うん！ここ座って？〉

座るとドライヤーの機械音が鳴る

彼と比べたら雑かもしれないが、不器用なりに頑張ってくれてることだけは伝わる

ってまた彼を思い出して、、

〈、よし！どうかな？〉

サラッと撫でられた頭が何故か熱くなる

「よ、良かったです」

〈じゃあ明日もお仕事あるし早く寝よっか〉

「明日も宜しくお願いします」

〈そんなかしこまらなくても、、タメでもいいんだけどな、、〉

「そんな！阿部さんには申し訳ないです！」

〈全然だよ！じゃ、お疲れ様！〉

また頭を撫でられて、

何故かまた頭が熱くなった

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