妹に巻き込まれました。【新旧生徒会長】 (ページ18)

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生徒会室にて。⑤ ページ18

私「何故、と聞いてみてもいいですか？」

天「勿論。君には誠心誠意の対応を見せよう。
　それに、知る権利はあるからね。」

そう言って、天祥院君は紅茶を口に含んだ。

黙っていれば、少し儚い理想の王子のようなのに、目の前の人以上に、誠心誠意という言葉が胡散臭く聞こえる人は居ないだろう。

今のところ、いろんな意味で面倒くさそうな人、それが彼への印象だ。

生きにくそうだな、とも思う。

非常に絵になる姿と己の思考に、少し居心地が悪くなった。

天「そうだ、こちらが呼びつけたのに、
　君にお茶をお出しするのを忘れていたね。
　カモミールは好きかい？」

私「私、あまり紅茶は嗜みませんので、
　お構いなく。
　それに、病人にお茶出しさせるような
　神経も持ち合わせていません。」

天「あはは、バレてたか……
　でも、熱は下がっているから、
　気にしなくていいよ。」

バレちゃった、と困ったような笑顔で肩を竦める天祥院君は、さぞや女子の庇護欲を掻き立てることだろう。

流石アイドル。

王子フェイスだけじゃなく、あざと可愛い。

天「それに、嗚呼、残念だ。
　あわよくば紅茶部にも引き入れようかと
　思っていたのだけれどね。」

私「…何故そこまで
　私を引き入れようとするんです？」

天「君が味方についてくれたら
　さぞ頼もしいだろうな、と思ったんだ。」

私「先程の私の話を聞いておいて、
　誰かにつけ、と言うのですか？」

天「いや、なんとも残念なことに、
　妹さんはあちら側についたみたいでね。
　君の大切な、パワーバランスは、
　もう既に、不公平に崩れているんだよ。」

…あちら側って、例のTrick Ster、革命側か。

おいおい、またもや妹なの？

あの子は私に嫌がらせでもしたいの？

なんで面倒事に巻き込まれたし。

なんで家訓忘れたし。

正直ほっときたいけど、妹に何かあった時に怒られるのは私なんだよなぁ。

仮に、天祥院君の言うことが嘘だったとしても証拠が無い。