兄妹�� ページ7
…んで、どうしよう。
此処の廊下、直射日光なんだよね。
眩しいし、肌が痛い。妾死んじゃ〜う。
巫山戯てみるけど、真面目にピンチだ。
せめてパーカー被っとくんだった。熱い。
？「嬢ちゃん達。そいつに何か用かのう？
我輩、先約なんじゃけども。」
そんな声が聞こえたと思ったら、頭に何かがバサりと被せられた。嗅ぎなれた仄かに甘いコロンの香りと、見覚えのある焦げ茶のカーディガン。
兄様だ。
一気に力が抜けて、壁伝いに座ってしまった。
途端に彼女達の声がワンオクターブ跳ね上がる。
モ「え、え、え！？」
モ「なっ、零様？？」
モ「なんで此処にっ！？」
おーおー、凄い。
気持ち悪いくらいの変わりようである。
でも、そうか…憧れの人なんだものね。
零「なんで、と言われてものう……
深月に用があるとしか。
ほれ、大丈夫かえ？」
しゃがみ込んだ兄様に被っていたカーディガンをちらりと捲られる。日光を遮るように兄様の整った顔が覗いた。
瓜二つとかよく言われるけれど、私は兄様の方が絶対に美人だと思う。一応、私自身の顔の価値は分かっているけれど、それでも兄様とは全然違う。
穏やかな表情も、怒った時の瞳も、楽しげに弧を描く唇も。全部兄様は美しい。
そんな事を考えながらぼんやりしている私に向けられる視線は、気遣わしげだが、兄様自身も少し顔色が悪い。まぁ、人の事は言えないのだけれど。
やっぱり日光は敵だな。早く移動しよう。
そうは思っても、本当に体に力が入らないので、何とか重い腕を目の前の首に回して抱き着いた。
深「ごめん、兄様。ちょっと無理、かも。」
零「はぁ…全く。仕方ないのう。」
そう言うと、躊躇いなく私の膝裏と背に手を回して抱き上げた。俗に言う、姫抱きである。双子だから、色めいた何かがある訳ではないが。
ただでさえ日光に弱い血筋な上に、アルビノなんて厄介な姿で生まれてしまった私は、幼い頃から零と凛月以上に弱かった。そんな私が倒れる度回収に来てくれるのは、双子の兄である零だ。いつだって軽々と持ち上げて安心をくれる。
ありがとう、兄様。ごめんなさい。
音になったかも怪しいが、そう小さく口を動かすと、察したのかカーディガン越しに額へキスをくれた。
それにすっかり安心して、心地良い揺れと優しい香りに身を任せて目を瞑る。
驚いているのだろうモブ達の、ある意味熱い視線をなんとなく感じながら、私達はその場を後にした。
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ウグイス(プロフ) - ナツさん» ありがとうございますっ！！そう言って頂けるなんて、感激です！！ (2018年3月24日 10時) (
レス) id: 4cecdb7e61 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 深月さんカッコいいですね！ああいうキャラ私大好きなんです！頑張ってください！ (2018年3月18日 23時) (レス) id: d5650580fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キャベツの芽 | 作成日時：2017年11月11日 16時
