過去編：双子�� ページ16
零「無理は禁物だろ。」
深「兄様こそ…」
零「え？」
ぱちりと目を瞬かせた零を見て、深月はくすりと笑う。
そして続いた言葉に、零は息を飲んだ。
深「ちゃんと…帰ってきて、ね？」
零「っ！？なんで…」
それは、まだ言うつもりのなかった来週からの留学のこと。
怪しまれても間近になるまでは、なんとか誤魔化そうと思っていた。
家に帰れないほど忙しかったと、苦しい言い訳をするつもりだった。
敏い半身は、それが彼女自身のためでもあるという事がわかってしまうだろうから。
そして、それを気に病んでしまうだろうことも、零はわかっているから。
だから、黙っていたのに…
深「ふふ…わかるよ、半身だもの。
それに、私のためでもあるって、
知ってるからね、兄様。」
零「…」
深「秘密にしようとしてたのが、
私の心を慮っての事だってことも、
ちゃんとわかってる。」
でもね、零。
深月の赤い瞳が揺らめいて、顔がくしゃりと歪みそうになる。
それでも何とか笑顔を保とうとしたのか、歪な表情は今にも崩れてしまいそうだった。
震える手が、零の頬にそっと触れる。
深「優しい、優しい、零。
貴方はとても高潔で、気高い。
…っでも、いつになったら
その身を顧みてくれるの？
凛月だって、凄く心配してる。
お兄ちゃんって、泣くのを堪えてる。
…っなんで零じゃなきゃいけないの？
こ、このままじゃ……このままじゃ、
ボロボロになっちゃうよっ！！」
やだ、やだよ、れい。やだ…
ポロポロと、涙を零す深月。
それでも決して「行かないで」とは言わないでいてくれる。
その思いと言葉は、零の心を深く抉った。
そして何よりも、幼い頃から滅多に泣かなかった深月が子供のように泣いている。
零にとって、これ以上ない衝撃だった。
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ウグイス(プロフ) - ナツさん» ありがとうございますっ！！そう言って頂けるなんて、感激です！！ (2018年3月24日 10時) (
レス) id: 4cecdb7e61 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - 深月さんカッコいいですね！ああいうキャラ私大好きなんです！頑張ってください！ (2018年3月18日 23時) (レス) id: d5650580fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キャベツの芽 | 作成日時：2017年11月11日 16時
