第139話 ページ41
『久世.....!』
「目覚めて良かったです、彼方様!」
私よりも包帯を巻いている数は少ない久世がカーテンを開けて、ベッドから否定してくれた。良かった、元気だとホッとする。私が重いとかよりも彼女の無事の方が気にするところだもの。
「それより、鵜宮様!その嘘はどうかと思いますよ!」
「うるせぇなぁ」
『え、嘘って?』
「彼方様は重くなんてありません!鵜宮様がからかっているだけです!」
『そ、そうなの....?』
久世の言葉を聞いて、隣にいる天馬を見ると視線をそらしながら頷いた。
はぁ....、良かった....。
重くなくて、本当にマジで.....。
『.......?』
そういえば、何か忘れて.....ん?
『(ん!!?)』
待って.....、今って何試合目!?
繭とすばるさんの試合は多分いや、確実に終わっていると思う。じゃあ、今は何の時間?
男子の部、始まっちゃった?
それとも、もう終わった!?
ろくの試合は!?
天馬と士門の試合は!?
『い、今、何の時間!?ろくの試合はまだ始まってない?天馬と士門の試合は!終わっちゃった!?』
「落ち着いてください!今は女子の部が終わり、中間休憩中です」
『そ、そっか....。良かった....』
「お前はもう少し休んでろよ」
『うん』
頭を撫でられて、少し照れる。それを横からニコニコ見ている久世がいるが恥ずかしいので見なかったことに。
自覚するともっと照れるので....。
私は、ろく達の試合まで安静にしていなきゃいけない。
試合になったら、このベッドからでて応援しに行くけどね。
「おとなしくしてろよぉ、彼方。.....って言ってもどうせチビ助と俺の試合観に来るんだろ、んん?」
『勿論!観に行くよ!!』
「無理するんじゃねぇぞ」
『うん。心配してくれてありがとう.....!』
笑顔で御礼をいって立ち上がる天馬を見送る。
一人ぼっちの最強さんの隣に......、
きっと彼がきてくれる。
あの日から知ってること。
あの日初めて感じたこと。
きっと叶うから......。
だから、
だから、
この胸の不安がどうか間違いであってほしい。
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです!無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいッッッ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月31日 17時