第114話 ページ16
目の前に座る懐かしい人物。
記憶の中の彼はもっと小さくて、可愛さが残る顔立ちをしていた。......今も可愛いといえば可愛いが.....。さらに磨きがかかったんじゃない？
「お久しぶりです、姉様。それと僕は可愛くありません」
『え？』
「可愛いと声に出ておられましたよ」
『嘘っ！？』
「本当です」
私のことを姉様と呼ぶろくろと同い年の少年。
茶髪に緑色の瞳、過去さんとそっくりな容姿の美少年。
性格も私に似ていない私の実弟。
十六夜未来である。
「僕ももう十六歳ですよ？可愛いじゃありません」
『(え、可愛いっ！).....うん。そっか....もう十六歳なんだね.....』
ぷくーうっと頬を膨らませて、拗ねたように言う未来を心の中で可愛い！と言いつつ、自分がいない間に大きくなった未来に若干寂しく思う。
仕草はまだまだ可愛いのにっ！
モテるぞ、これは！
マダムとかおとしてそう.....。
自分の弟がマダムキラーになってないか心配しながら、さっきから視線を感じる方をゆっくりと見る。
『お、お久しぶりです。.....境さん』
「うん。久しぶりだね、彼方」
大体の女子高校生が惚れそうな笑みを浮かべる男の人。
確実にモテるであろう容姿を持つ、黒髪と黄緑色の瞳を持つイケメン....二十代。
十六夜境。
十六夜家当主にして、私の実兄だ。
そして....、
「.....しばらく見ないうちにかっっっわいくなったねぇぇぇぇ〜〜〜！！！」
『.....ソウデスカネ』
私、限定のシスコンである(ろくろに発揮されるブラコン)。いつもはキリッとしていてかっこいいのに私のことになるとキャラ崩壊がひどい。
ぎゅっと抱きついてきた兄に遠い目をする。
視界のはしには笑っている過去さん。見てないで助けてほしいが、......無理だな。即厭きらめられる。あの人は助けてくれない......。
「放してください！兄様！″僕の″姉様がこまってますっ！！」
「困ってないからっ！？彼方は僕のこと大っ好きだから！ね？ね？！てか、未来！″僕の″姉様って何！？それを言うなら″僕の″妹だからね！！？」
必死な目をして「僕のこと好きだよね？！」っていう境さんに『ソウダネ....』とロボットのように頷く。両方向から抱きつかれ、引っ張られる形の真ん中にいる私。過去さんは本当に助けてくれない。
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ひーちゃん - リメイク前から読ませていただいていますが、とても面白いです！無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2022年4月5日 17時) (
レス) id: fdbe555570 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年2月26日 17時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
オタク - すごく面白いです!!!!!!無理せず更新頑張ってくださいｯｯｯ (2022年2月22日 18時) (レス) @page10 id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月31日 17時
