第95話 ページ47
ろくろの家からの帰り道、病院を退院した後、土御門さんに会った時の事を思い出す。
「島についたら、不思議な事が起こるかもだけど君はそれについてっていいよ。君は基本自由でいいからね☆」
『え、そうなんですか？』
「うん、君の記憶を戻さないといけないからね」
何の事かわからずに曖昧に返事をすると、今はわからなくていいと言われた。記憶を戻さないといけないのはわかるけど、自由でいいって何でだ？それをいう土御門さんってよくわからない人だなぁ.....と思ったり。
──────────
『え......』
その翌日、信じられない言葉が耳に届いた。
紅緒が呪力を失ったとろくから聞いたその日。土御門さんから呪力がないことを言われ、それからずっと部屋に閉じ籠っている紅。絹さんが部屋を覗くと紅は、見ていられないほど落ち込んでいたと。
繭からは、ここしばらくろくが学校を休んでると聞いた。心配になってろくろのスマホに電話すると元気なろくの声が帰って来るのでまあ特に心配はしていない。
『《何してるからは知らないけど、気をつけてね？》』
「《おう！分かってるよ。心配してくれてありがとな、姉ちゃん》」
『《君のお姉ちゃんなんだから当たり前でしょ》』
「《！......うん》」
重大なことを今していると話してくれたろくろ。
きっと紅を元気づける何かを思いついたんだろうね。
それから数日。
ろくろと私が土御門島へ行く日になった。ビックリしたのは、繭良も土御門島へ行くことになっていたこと。まぁ、十二天将の白虎が繭良を選んだんだから、土御門島に行くのもあり得る。
「浮かれてんじゃねぇぞお前ら！遊びに行くんじゃないんだからな......！！」
「士門」
『随分機嫌が悪いね』
もの凄く機嫌の悪い士門が空港に私達を案内するために来てくれた。
「どうして俺が案内役なんだ。こんなことなら一度帰らずに本土に残ってれば良かったじゃねえか......！！！！」
「何であんた禍野であんなにビュンビュン飛び回ってるのに乗り物に弱いんだよ？」
「自分で思い通りにならないからだ」
ぶつぶつと呟いている士門にろくろが聞いた。
あ、そういえば士門って乗り物弱かったね。
初めて、会った時も酔ってたし。
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夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます！嬉しいです！！ (2021年7月31日 13時) (
レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない！面白いです！！これからも頑張ってください！ (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月22日 16時
