第63話 ページ15
「........なっ何を考えてるのよ。あの娘はぁ〜〜〜〜っ!!」
「お前ら実はすげぇ暇だろ?」
今、私達は何をしているかって?
ろくろと小夜さんのデートをつけています。
どうして、こうなったのか、それは今から数時間前。ろくろの「何でも」という言葉に小夜さんが反応して、買い物をすることになった。学校を休んだ三人。私も弟と二人が心配なので学校を休んだ。さっきから、小夜さんとろくを見ながら取り乱す紅緒と繭良。落ちついて、様子を見る士門と私。恋する少女は大変だね。
「妹とさんには随分優しいんですねぇ〜〜〜〜!?」
「別に否定はせんが.....。あと、タメ口でいいぞ」
「それよりも......ろくろが王子......と言う......のは?」
「あれはただの絵本や小説の影響だ。よくあるだろう。自由を奪われ外の世界に憧れるお姫様の話とか。土御門島の陰陽師はほとんどが島から出ずに一生を終えるが」
え、そうなの.....?
「ちぃ子はこれまで島どころか自分の家からも出たことがないからな」
「え....!」
11歳にもなる女の子が、家から出たことがない!?
なぜなんだろうと思いながら士門の話を聞く。小夜さんは、他の人とは違う特別な呪力をもっていて、不用意に外に出れなかったと。今回の試験も複数の護衛と小夜さん自身に結界を張ってようやく外出する許可がおりた特例なこと。
「ちぃ子が試験官として本土へ来ることは二年前に化野と焔魔堂が有馬さんに島に行くって約束を取りつけた時から決まっていたからな」
『二年前から.....』
「以来二年間、ちぃ子はずっとこの時を待ち望んでいた.......試験官とは言え一時的でも外へ出るキッカケをくれた焔魔堂ろくろは、ちぃ子にとって自由を与えてくれた王子様に見えるというワケだ」
ろくろが王子様.....??
小さい子にはそう......見えるのかな.....(失礼)?
「アレをカッコイイと言い出した時の妹の美的センスには絶句したけどな」
「さっきその王子に荷物持ちさせてなかったっけ!?」
「私もいる.......のに」
ふと、ろくろ達の方を見ると小夜さんとろくろの距離が近くなってた。ろくろの頬についた食べ物の欠片を小夜さんがなめて取った。
甘々の青春ラブストリーかなにかで.....??
この間友達からおすすめされて読んだ少女漫画みたいな展開である。
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夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月31日 13時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない!面白いです!!これからも頑張ってください! (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月22日 16時