第92話 ページ44
あの日から十日たった。私も無事退院して、もう寮に戻ってきていて、いつも通りの生活を送っている。傷はろく達よりも酷くないのに、目覚めるのが他の三人よりも遅かった。
『(毎回、こういうパターンだよね)』
どうなってるんだろう、私の体。
今日は、この間目覚めた紅の退院祝いそして誕生日パーティをするため朝から飾りつけやら、料理の準備など私とろく、繭の三人でやっている。飾りつけは、ろくろがして料理は私と繭で作っている。
「よし!こんなカンジか!?」
「ろくろ〜〜!こっちの準備大体終わったよ〜〜!」
『そっちの準備は終わった?』
キッチンから飾りつけられているリビングに顔を出す。
「繭良!姉ちゃん!なあなあ、飾りつけってこんなんでいいかな!?」
「「退院おめでとう」の下に「ハッピーバースデイ」はおかしいでしょ......」
「あっ!!本当だ!!」
『でも、飾りつけはいい感じだね!』
「やった!!」
繭が時計に目をやって紅がいつ帰って来るかろくろに聞く。たしか紅は、病院で軽い検査をしてから帰ってくる筈。今が、正午ちょっと過ぎだからもう少ししたら帰ってくるんじゃないかな?
「........でもさぁ.....体のケガはそこまで酷いワケじゃなかったのに紅緒だけずっと起きなかったなんて.......やっぱ禍野で起きた最後のアレが原因かな.......?」
最後のあれと言うのはろくろ経由でしか聞いてないから、想像でしかわからない。私も入院中に紅の病室に行ったけど、ケガもそこまで酷くなくて私と同じぐらいだった。
「姉ちゃんも紅緒と似た感じだったし......」
私も酷い怪我じゃないのに目を覚まさないけど、今だにそのワケはわからない。毎回、お医者さんに診てもらってるのに異常無いって、逆に不安になるんだけど.......。まあ、解明できないものはしょうがない。ポジティブにいこう。
「繭良は何か知ってる....?」
「えっ......さ....さあ?私だって何も聞かされてないし....」
『..........』
明らかに動揺している繭。
何か思いあたる事があるのかな?
私も目覚めた時、異様に心配されたし.....、士門に。
《ピンポ〜〜ン》
「!」
「あ、ホラ、化野さんじゃない?」
「かな?」
「焔魔堂さ〜〜ん宅配便で〜〜す!」
『違ったね』
「だね。は〜〜い」
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夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月31日 13時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない!面白いです!!これからも頑張ってください! (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月22日 16時