第59話 ページ11
『あ.....!もしかして......島への試験をしたの?』
私の問いに士門が首を横にふった。
『え、違うの......?』
「まあ.....な.....」
『?』
視線を逸らされ、首を傾げた。ろくろの近くに寄れば息をしていることがわかる。結構、ボロボロだ。
「ん.......?ここ.....は俺ん家......?」
「ろくろ」
『ろく』
「!......紅緒!姉ちゃん!」
ろくろが起きたことにホッとする様子の紅。
私も気づかれないぐらい、小さな息を吐いた。
「俺、何でここに.....?......斑鳩士門!」
「遅ぇよ。やっとお目覚めか」
「あんたが家まで運んでくれたのか?」
「これでお前を禍野から運ぶのは二度目だ」
「あの.....じゃあ.....テ.....テストは?」
恐る恐るテストの結果を士門に聞き始めるろくろ。
その様子を私と紅緒は、黙って見守る。
「全然ダメだな」
「.........」
「ほとんどの項目でお前はマイナスだ」
次々にダメ出しをくらう私の義弟。
ほとんどが、陰陽師に関係ないことだけど。
個人的に顔がムカつくとまで言われている。
士門、それ、ただの悪口だよ.....。
「_________まあだから、戦力だけを見るなら.......是か非かで言えばギリギリ″是″ってとこだな」
「え.......!?そ........それって、島で戦う実力......″アリ″ってこと.....!?」
「........弾避けくらいにはなるかもな」
「........!!やっ.......やったあああああああああああっ!!!!」
ソファから立ち上がり、紅とハイタッチをするろくろと私も、ハイタッチをしあった。
『(可愛いなぁ〜〜、私の弟)』
喜んだ後、紅のテストはいつやるのか士門に聞いているろくろ。そんなろくろを見て士門は、自分は島に行くテストを受けるためのテストをしただけと言った。
その言葉にショックを受け、床に寝転がるろくろ。
寝っ転がった後、床に座り直し、島に行くための試験官が今、どこにいるか聞く。
「俺と一緒に本土に来たから今こっちに向かってる筈だ.........忠告しておく。.......ソイツは俺のように優しくはないぞ?」
「?」
優しいって、ボロボロにするのは優しいに分類されるのだろうか疑問に思うとこだね。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!嬉しいです!! (2021年7月31日 13時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
346 - なんで評価低いのかわからない!面白いです!!これからも頑張ってください! (2021年7月30日 0時) (レス) id: b132005490 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月22日 16時