第32話 ページ34
絶対に当たってほしくない時がある昔から感じる嫌な予感。いつか、誰かの死を誰かの命がこときれる前の......、予感を感じてしまうんじゃないかと。
願っても、願っても予感が当たってしまった時。
自分の無力差を身をもって感じてしまつ。
その日もこの予感で目が覚めてしまったのだろう。
夜。亮悟さん達が、部屋で寝ている頃。
私は一人、縁側から窓越しに庭を見ていた。今日は月が見えない日。窓ガラスから見えるのは雨。空は黒く、星もその先のビルや建物も霞んで見えた。私は雨が降ってきているのをただボーッと見ながら、時計の針のカチコチという音が聞こえる。
『.......清弦さん。......何のために、ここに来たんですか？』
「.......言ったじゃねぇ〜〜かぁ〜〜〜馬鹿弟子の尻ぬぐいだぁ〜〜〜」
縁側から、外を見ていた私の背後に人の気配を感じた。
多分、清弦さんだと思っていたが当たりのようだ。
それよりも後ろの方に立たないでほしい。
寿命が縮みそうである。
というか、この人、帰ってきたなら、紫さんところに帰らないのかな？
『それは、ろくろの？.......それとも、________悠斗のですか？』
「......知ってたのかぁ〜〜〜？」
帰らないのか問題を思いながら、清弦さんに聞きたいことを聞いた。清弦さんの言葉に私は黙って頷く。
そして、思い出すのは二年前の記憶。
ろくがまだ陰陽師を志していた時の記憶。
『......あの日の夜、ろくろが悠斗を倒したように思えた.....でも、......十二天将である清弦さんが来るんです。.....生きていたんでしょう？......だから清弦さんが来た』
清弦さんが来ると言うことは、ただ事ではないと言うこと。
それほどまでに十二天将はすごい人達の集まりだそうだ(じっさまから聞いたこと)。
『.......』
あの日。私は、友達の家に泊まりに行っていた。
けれど、嫌な予感がして友達の家から飛び出した私は雛月寮に向かった。そこで清弦さんと会い、みんなを探したが見つからず、唯一見つけたのは、崩れた建物の瓦礫の中、泣き続けるろくろの姿。周りには誰一人としていなかった。
「まあなぁ〜〜〜」
『清弦さん。......ろくろを悠斗と戦わせないためにわざとろくろにきつく言ったりしたんじゃないんですか？』
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月12日 20時
