第2話 ページ4
挽き肉をこねながら、ハンバーグの形を作っていく。手を動かしながら、亮悟さん達の話に耳を傾けた。
「それじゃあ来週入ってる依頼を割り振っていくぞ〜〜〜」
「「ウィ〜〜ッス」」
「田中のじいちゃんが最近肩が重くて「悪霊の仕業じゃ〜〜」って言ってるんだけど」
「「それ絶対ケガレじゃねえ!」」
慎之助さんと篤さんが揃って否定する。
口には出さないが私も同意見なのでコクリと頷いた。
それ、絶対ケガレじゃないよね?
ガラッ!
ドタドタドタ....!!
玄関から聞き覚えのある声が聞こえてきて、私の義弟の焔魔堂ろくろが帰ってきたとわかる。
「姉ちゃ〜〜〜〜っん!!亮悟〜〜〜〜〜っ!!!!」
『お帰り〜』
「ろくろ?」
「どのツラ下げて帰って来やがった」と亮悟さんが言った言葉にケガレ祓いに行ってないことがわかった。やっぱり......行かなかったんだね......?勢いよく、乱暴に引き戸をあけたろくろ。
「俺のいい所ってどこっ!!!!?」
「は?」
『え?』
帰って来て早々に訳のわからない事を言うろくろに首をかしげた。......まあ大体、予想は出来るけど。
「......まさかまた女のコにフラれた挙げ句。「悪い所があれば直す」と言ったものの逆に「いい所ってどこ?」とでも言われたのか?」
「見てきた様に言ってんじゃねぇよ!!!!」
亮悟さんの言葉を本当に言われてしまったらしい。また、フラれたんだね。いい加減諦めたらいいのに。
「経緯はいいから答えてくれよっ!!」
「ろくろのいい所ぉ?」
ハンバーグを作りながら、ろくの行動や性格などを思い出す。
『ろくのいい所かあ.....』
あるんだけど、多分ろくの事を好きになる人は学校の娘とかじゃないと思うんだけどなぁ?.......陰陽師関連の人.....とか?なーんてね?
「なんでも美味しいって言って御飯を食べるとこ?」
「くつ紐が結べるとこ!!」
「夜一人でもトイレに行けるよね」
「右と左の区別もちゃんとつけれるしの」
「あれ.....!!?かえって傷ついてるよ俺....っ!!」
『(私でも傷つきそう.....)』
亮悟さん達のろくのいい所が低レベルというか、いい所っていうか出来る事な気がするのは、私だけだろうか?そんな事を思っていた私にろくが声をかけてきた。
52人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2021年7月12日 20時