第17話 ページ19
二人が向かった後、篤さん達の手当てを終わらせ亮悟さんが連れていかれたとされる建物に車で向かった。車から降りるとちょうど出てきたろくと亮悟さんが建物から出てきた。所々怪我をしているが二人とも無事だ。良かった、生きてる.......。すぐさま駆け寄り、ろくろを抱き締める。
『ありがとう、ろくろ！！.....お帰りっ！』
「ちょっ......姉ちゃんっ！！」
篤さんもろくの頭を撫でながら、褒めている。「やめろ」と言いながら嬉しそうにしている。
『(あれ？紅がいない......？)』
紅がまだ帰って来ていないことに気づき、私とろくで紅を待つことにした。御礼言わないとだし、怪我はないと思うけど心配だからね。亮悟さんは怪我をしてるので篤さん達と先に帰ってもらった。車が出て、少しした後に紅が建物から出てきた。怪我もしてないみたいで良かった。
出てきた紅にろくは頭を下げて御礼を言った。二人の話が終わったら、私も紅に御礼を言おう。ここでろくろの無自覚発言。
「夫婦になれとか関係なしに俺、結構お前が好きかも」
「！！？」
『！』
こういうところがろくの魅力だね。案外、弟はモテてるし.....。何にも反応しない紅を不思議に思ったろくが彼女の顔を見ると紅はろくの言葉に照れていた。
「か........勘違いしない.....で」
「はあ！！？」
「わたっ......私....は！！陰陽師としての君を認めただけで、結婚だのこ.....子供.....だのはいっ.....一切認めてない......から！」
「てっ！！てめぇこそ変な勘違いしてんじゃねぇぞ！！！！お前みたいな暴力女誰が嫁にするか！！ってコラ待て！！話聞けよ紅緒っ！！」
ろくろの話を聞かず歩いていってしまう彼女を見て、なんだかんだ言って二人は仲良くなれそうだと思った。
『ありがとう、紅。亮悟さんを助けてくれて.........私達の家族を助けてくれて』
「陰陽師として......当然の事を.....しただけなので」
『それでも、ありがとう。ろくに力を.....亮悟さんを助ける力をくれて』
私より少し低い紅の頭に手を乗せ撫でた。頬が赤くなってる紅。その後、追い付いてきたろくと再び言い合いを始めた二人を見て、微笑んだ。ふふ、仲がいいね。二人の言い合いを見ながら、歩いて星火寮に帰って行った。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年7月12日 20時
