◇おかえり、大切な友達 ページ39
ボロボロと崩壊していた黒いリングが完全に消えた。ビルの屋上でのファイトに決着がついたのだろう。リングが消えたことにより、黒い雲に覆われていた空は元に戻った。
ビルからアイチと櫂が出てきた。一瞬、櫂が前の櫂に戻ってないのかと皆警戒を解かないが、アイチが櫂の腕をつかみこっちに引っ張ってくる。戻ってることに気付き、皆で近付いていく。
「お兄さんっ!櫂っ!!」
「アイチ!!」
「先導君っ!!」
「櫂っ!!」
皆、ものすごく心配していたので涙ぐんでいる。
私も二人の元に行く。と言っても、アイチの方はナオヤ達が囲んでいるので、先に櫂に話かけることにした。
『櫂、心配したぞぉ〜?』
「ああ!すっげぇ心配した」
「.....すまない。ありがとう....」
「『!』」
無愛想な櫂の表情がゆるりと解かれて、微笑んだ。ニコッじゃないけど、彼からしたら笑顔だ。
『す、素直だ』
「な!」
なんか丸くなった。
さすが、アイチだ。
アイチというライバルで、友達で、チームメイト。
そんなかけがえのない存在に出会った。
こんな風に思える人なんてそうそう現れない。
できやしない。
「カサネさん、ありがとうございました!」
『ううん。君の力になれたなら良かったよ!櫂も.....友達も取り戻してくれたしね』
「ヨゾラさんにも御礼言っておいてもらえると」
『「御礼など無用です。私はカサネに頼まれたためにしただけですから。でも、まあ御礼ぐらいはもらっておきましょう」って、アイチが御礼を言いに来るって最初からわかってたみたいで、伝言みたいに言葉を預かってるよ』
照れ臭いんだろうね。
アイチに面と向かって言われるのが。
ヨゾラから聞いたけど、ミサキも三和も私と入れ換わったヨゾラのことを感じていたそうなのだ。すごいよね。
その間、私はドラ○エさせられてたけどね?
リンクジョーカーはこの世界から消え、
私達の世界は平和となった。
これから始まるのはいつも通りの世界、日常─────
で、あったのならどんなに良かったのだろうか。
一度入ってしまったヒビは治りはしない。
その破壊の破片はしっかりと彼女に根付いてしまった。
虚無の力は強く、
少女の意志は強く、
少年の思いもまた強い、
彼女が消える、その日まで......。
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夏菜沙(プロフ) - コメント返すのが遅くなってしまってごめんなさい!ありがとうございます!頑張ります (6月14日 1時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - アニメヴァンガードとヴァンガードGシリーズ全部観てました!このお話を毎回楽しみにして読んでます!繋がるお話とかテンション上がりますww楽しみに待っています!!!! (2023年4月5日 14時) (レス) @page41 id: f960c5b46d (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - ありがとうございます!ヴァンガードGへとつながる話を今考え中です。楽しみに待っていてもらえると嬉しいです! (2022年10月9日 22時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
桜華舞姫(プロフ) - ヴァンガードからヴァンガードGに繋がる話なんて……面白いに決まってるじゃないですかーーーーーーーー!!!!私の好みにど直球です!!続き気になります!更新頑張ってください!! (2022年10月9日 10時) (レス) @page37 id: af831a4a46 (このIDを非表示/違反報告)
夏菜沙(プロフ) - コメントありがとうございます!!応援してもらえるなんてありがたいです!! (2022年3月17日 2時) (レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年2月11日 0時