緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇空のリング ページ29

あの後、ミクルさんに色々聞かれ女子トークとなった。次の日の仕事が久しぶりに家での仕事だったからだ。そして、アイチが林間学校から帰ってきて数日。曇り空が続く中、その日はやってきた。



「世界中のカードファイターの皆さん、こんにちは」



学校帰りの道で映し出された立凪タクトの映像。
何かいつもと違う雰囲気をかもし出す。



「どんなに楽しい日々であれ、いずれは終わる時が来ます。そして、その日はすぐ目の前にきています。唐突ですが、皆さんの世界は、滅亡します」



おっと何があったら、そういうことを言えるんだ。
タクトの言葉に一瞬何を言っているのか理解できなかった。



「ファイターの皆さん。この中には″Я(リバース)″という現象をご存知の方もいるでしょう。その現象を操っていたものこそが、リンクジョーカーだったのです。」



タクトがリンクジョーカー！？
それとも、彼もまた″Я(リバース)″状態なの？？



『......違う(何かが、本物のタクトを彼の身体から追い出したんだ)』



ナオキに感じたようなゾッとするような恐怖。
それをこの人から感じる.....、画面越しでも.....。



「そんな彼らが増えることで、我々はより協力な力を得ました。こちらをご覧ください。これはゲートです」



曇り空に黒いリング。
周りには赤いオーラみたいなもの。

あれ、ナオキやスイコさん、福原の時にみた力と同じだ。



「空を見上げれば、世界中のあちこちでこれを確認できるでしょう。今なを″Я(リバース)″ファイターは増え続けています。そんな彼らの増加にしたがって、ゲートは広がっていきます。」

「あ、ウルトラレアのコンサートのチケット売り切れだって」

『え？』



カップルの女性がウルトラレアのライブのコンサートのチケットの話をしていた。もしかして、これってファイターと一般の人じゃ見えてるものが違うのかな....？



「そして、これらがついに地球を覆った時、またたくまにこの星は虚無の闇に覆われて、すべての命は闇に堕ちるのです。これが実現できたのも地球のファイターの皆さんのおかけです。どうもありがとうございました....！」


　
イラッとするな。
挑発が得意だね、この偽者のタクトは。

映像が終わると流れるのは料理番組。



『これはただ事じゃないね』


　

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