緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇おにぎり握る ページ27

『それにしても、偉いね。アイチは』

「え？」

『事前に練習するなんて。私はしないし』



実際、そうなっても私は料理ができるので困らない。
それに多分班には櫂や三和の料理できるし、何でも器用にこなす組がいるのだ。

予行練習なんて、しなくても乗りきれるのだ。



「そんなことないですよ。僕、林間学校では班のリーダーなのでしっかりしないとで.....」

『部長頑張ってるみたいだね』

「部長らしくできてるか、不安ですけどね....」

『アイチは立派に部長してるよ！』

「ありがとうございます、カサネさん.....！」



ミサキもコーリンさんも言っている。
それに見てればわかるもの。

アイチが頑張って部長してるのを。



『力を入れるのは下の手で上の手はそえるだけ。リズムよく握って、できるだけ少ない回数で形にすれば、出来上がり.....！』

「おぉ....！」



炊けたご飯をボールに移して、アイチと二人ご飯をおにぎりにするために握る。上から手を添えて、形にして握るのを手伝う。



「できたっ！.....でも、カサネさんとは全然違いますね....」

『初めは誰でも難しいからね。まだまだご飯はいっぱいあるから大丈夫だよ！』

「でも食べきれなかったら....」

『あ、それは大丈夫！ペロッと食べれるので....』

「(そういえば、前の合宿でも櫂君と作った料理ペロッと食べてたなぁ.....)」



なぜか今世はハイキューの梟谷のマネージャーさんみたいにペロッと食べれるのだ。



『それに残ったら、夜食べるから。予め予告済みなので』



ミクルさんにもクロノにも言ってあるので全然大丈夫。
お皿いっぱいに作るのである。

豚汁とサラダはすでに完成済み。
後は盛り付けるだけ。



「で、できたっ！」

『お！形整ってきたね！』



何回かやれば、形はいい感じの三角に。本番にはシンさんの料理を手伝ってるミサキがいるんだから、あんまり心配はしてない。
最初よりも形も良くなってきてる。



『(最初は形が微妙だったからな〜)』



と思いながら、おにぎりを握る。
梅と鮭フレーク、こんぶを中にいれる。

アイチのは普通のだよ？
私のはクロノ達の夕御飯にもなるので、味付けをしているのだ。



　

◇お昼御飯、お味は？→←◇予行練習、準備万端

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