緑の瞳は欠片を探す 《４》

◇アイドル転校生 ページ2

『ねぇ、ミサキ。アイチの話本当？』

「本当なんじゃない？一年下にアイドルが転校してきたってうちのクラスでも騒いでた奴いたし」



なるほど、コーリンさんが転校してきたのは本当のことなんだね。倒れている森川とカムイ達が話している。やっぱり、話題はコーリンさんのこと。



「決めたっ！俺は今からアイチの学校に転校するっ！」

「えぇぇぇ！？」

「森川！俺達の成績じゃ宮地学園なんて絶対無理だぞ！」

「諦めろ、マケミ」



レイジとエイジの諦めろコールに「うるせぇ」と返して、立ち上がる。「そうだ！俺はこれからアイチの学校に住むっ！」と突拍子のないことを言い出した。



「無理だよっ！うちは、生徒と保護者以外は学校に入れない決まりなんだ」

「ならば、俺はアイチの父親だあ。今日からお父さんと呼べぇ」

「「えぇぇ....！？」」

「俺はアイチお兄さんの弟だ！お前を親父だと認めぇん！」



森川の言葉にカムイが待ったをかけた。



「なんだこれ」

「反抗的な息子は葛藤だ」

「なにぃぃ！？俺だってそんな変な頭の親父だなんかほしくねぇよ！って痛ぇ！！」



取っ組み合いの喧嘩を始めた森川とカムイ。



『私も森川が将来お父さんとか嫌』

「その言い方だとアイチと将来結婚するって言ってるようなもんだな」

『え？.....あ』

「えっ！！？////」



そうなるのか。というか、カムイは将来アイチを義理の弟になる予定でアイチの事を「お兄さん」と呼んでるんだったね....。



『まあ、どっちにしろうちの学校からバカを出すのは嫌かな....』



学校に侵入するとか本当に止めてもらいたい。ガチで知り合いが不法侵入とかマジ止めてほしい。視界のはしにミサキが心底嫌そうな顔をしているのが見えた。あれは本当に止めてほしい顔。



「なあ、アイチ。お前のところってカードファイト部って無いんだっけか？」

「うん....」

「残念だなあ。部があればうちのヴァンガード部との交流試合を組んでそっちの学校に行く方法もあったんだけど....」

「ごめん....」

「いや、お前が謝ることじゃねぇし」

「.....部活....かあ...。！そうだ....！」

『何か思いついたの？』

「はいっ！」



何を思いついたのかはわからないが、アイチに少し元気が戻ったみたいでよかった。目標ができたみたいでよかった。




　

◇不器用な私の親友→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す