◇隣にいたい ページ24
走って、探して、青い髪の少年を探す。目に入った、アイチと初めて出会った.....、公園へと足を進めた。
『(見つけた)アイチ！』
「！.....カサネさん」
斜め後ろから声をかける。やっぱりいた。アイチが腰をおろしている所のとなりに私も腰をおろした。
『.....レンとはね....』
「！」
『昔、私がヴァンガードを公園で見てた時に合ったの。.....今とはまるで違ってて、なんていうか不思議な雰囲気をもってる子だった......』
アイチは黙って話を聞いてくれている。
『でもね、レンを見てたら、その時持っていた″ブラスター・ダーク″が似合うな〜って思ったの。だから、渡した.....』
「......」
『......アイチは、悔しい....？』
「.....うん。悔しい.....。何度も思う。自分がもしあの時勝てていれば.....負けた僕はチームにも櫂君にもふさわしくないって......それに」
『......うん』
「弱い僕じゃ.....カサネさんの隣にはいられないって.....！」
『！(私？)』
「僕は.....チームには.....いらな」
『それは違う』
「え」
アイチの目をまっすぐに見て否定する。
それはない。
『アイチ、君はこのチームに必要だよ。いらないなんてない』
アイチはこのチームに必要不可欠な存在。ミサキや櫂、カムイだって、誰一人かけてはいけない。欠けたらそれはチームQ4ではない。
それに、
『......私はアイチが隣にいてくれると嬉しいし、勇気がでる。いてくれると嬉しいよ』
「カサネさん.....」
私がアイチと再会して思っていたこと。
他とは違う、アイチが隣にいてくれると嬉しい。
たまにドキドキもする。
これがなんなのかわからないけどね.....？
『！(やっと来た)』
「？......！櫂君？」
彼に任せよう。
『ふう。遅い！.....後は任せたよ....！』
「.......」
無言で私を見る櫂。
素直じゃないなあ。
筋金入りかよ。
ま、後は櫂に任せよう。
あの言葉の続き.....。
『「アイチはもっと強くなれるよ」.....って言ってね、櫂』
それだけで、アイチは止まってしまった歩みを進めることができる。櫂にはアイチの先導者として、大きな力があるんだから。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年11月6日 19時
