◇烏の雑食 ページ19
先週の週末、私達バレー部三年生メンバーと彩芽とで久しぶりに遊んだ。
肌寒い外で風邪を引かないように暖かい格好とおしゃれを兼ね備えたコーディネートで電車に揺られ、ショッピングモールに遊びに来たのだ。秋のバーゲンセールで気になる服を見つけた私達は、来年も着れそうで可愛らしかったり、おしゃれな服やカーディガンを買ってきた。
ゲームセンターでは一発で取りたいものを取って遊んだり、100円でしばらく食べるお菓子代が浮いたことはすごく助かったし、嬉しかった。
『いよいよ油断できなくなってきたね』
「烏だけに雑食で......、成長するのも早いよ」
一次予選を突破した私達。
来月には春高への切符をかけた県大会がある。烏野は、今月末に春高出場校を決める代表決勝戦のトーナメントがある。なので、今回の東京遠征が私達と練習する最後の合宿となるのだ。
「最後の日向......、たまに見せる湖羽さんみたいな雰囲気でしたね」
「あ〜、あの威圧感の事？」
「思わずブロックの手を緩めちゃうやつね」
『成長してるって事でしょ』
どんな威圧感なのかがちょっと気になるかな。
......まあ、さっきのブロックは研磨が少し怯んだもの。隣でブロックしてたクロも気づいてる。
『来年の成長が楽しみだね.....』
「フライングは上手くなってるけど、レシーブが....ううん、それ以外も発展途上.....」
「強くなるチャンスが多いって事だね」
バネもスピードも反射神経も抜群なのに技術がついてきていない翔陽。レシーブは......ん？？春高で上手くなってた....けど.....あれ？何のきっかけだったっけ？？
『忘れた......』
「何がですか？」
『ううん、何でもないよ』
また、忘れてるなぁ。
音駒との試合が終わり、体育館の片付けをする二校。観戦していた私達も風邪を引かないようにジャージを着て、片付けの手伝いをする。東京の外は寒い。宮城はもっと寒かったなぁ。最近、冬に帰った覚えは少ないけど。今年も帰れないなぁ。最後の年だし、春高あるし。
『夕、若利のスパイクあげなよ？』
「はいっ！！」
「湖羽、お前ウシワカと仲良いんじゃないのか？」
『レシーブに関しては別。夕は私の弟子なんだから、若利のスパイクレシーブしてくれないとね(ﾆﾔｯ』
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年11月28日 21時
