◇アイシタモノ ページ16
私が
『(ああ.....、やっぱり、ナニカの正体はコレか!)』
仮面をつけた化け物、虚。
ガッ!!
「ふ、うッ....うあ゛.....っ」
『グッ.....あああ゛.....っ』
虚に首を押さえられて身動きがとれない。
クソッ.....、たつきも織姫も危ないのにっ!!
「えい!!」
ドンッ。
「た....たつきちゃん、朔ちゃん大丈夫!?にげて!今のうちに!」
「はぁっ、はあっ.....はっ」
『ケホッ.....ケホッ.....は、はぁっ、ケホッ....』
「たつきちゃん!朔ちゃん!どうしたの!きこえないの!?」
『ケホッ.....、に....(逃げて、おり、ひめ.....)』
私達を虚から助けようとして、織姫が腕に体当たりをした。
そのお陰で首を締めていた手から解放されて、呼吸ができるようになった。
「......ムダだよ、織姫.....彼女達には俺たちの声はおろか.....姿を見ることもできないよ.....」
「____どうして....あたしの名前を.....知ってるの.....」
「......俺の声も忘れたのか.....」
『(俺の.....声.....)』
朦朧とする意識の中でそんなことをいう虚を見た。
「.....悲しいな織姫!!」
「!!」
『(に、にげっ.....!!)』
尖った指先を織姫に向けて振り下ろす。
それが織姫に届く前、織姫と虚の間に黒い着物をきた人影を見た。
『(あ......)』
前にも見かけことのある黒い着物の人。
いや、死神と言われる人達。
「.....黒崎.....くん.....?」
「.....邪魔する気か.....!」
「......悪ィが.....それが
オレンジ頭に大きな太刀。
それで虚の攻撃を防いでいる死神。
「井上を殺したけりゃ.....、先に俺を殺すんだな!」
『(.....一護.....)』
その死神は、黒崎一護だった。
生前最も愛したものの魂を求める
『(ああ、そっか.....、彼は織姫の.....お兄さん....か)』
薄れ行く意識の中、虚の正体と黒い着物を着て、大きな刀を構える幼馴染の姿が目に入った。
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2023年9月17日 21時