◇お弁当タイム �� ページ9
noside
準決勝を先鋒、中堅戦で勝利してたチームQ4。
アイチ達は決勝戦へと進出し、今は決勝戦が始まるまでのお昼休憩だ。
「お昼ご飯持ってくるの忘れたああああっ！！？」
「すみません。店長代理のお昼と間違えて持ってきてしまったみたいで.....」
「(どうすれば間違えるんだろう.....？)」
会場の外、ベンチのあるスペースにアイチ達は集まっていた。シンが、お弁当を用意していたのだが、家に置いてきてしい、変わりにテーブルの上に猫缶。
お昼が食べられないと知ったカムイは、ショックを受けている。アイチは、シンが店長代理のご飯を間違えて持ってきたことに、戸惑っている。
「せっかく頑張って作ったのに.....！紅白のかまぼこ...！だて巻き、くりきんとん.....！」
「おせちかよ！」
「どうします....？食べますか？」
「い、いえ......」
猫缶をやんわり差し出され、アイチは首を横に振った。
そんな困り顔の彼らに「あの、よかったらこれどうぞ？」と聞き覚えのある声が、かかった。
「エミ、どうしてここへ？」
「お母さんがお弁当持って行けって言うから......」
「あ、ありがとうございます！エミさん！」
「ありがとう、エミ」
「助かりました、いただきます。エミ君！」
広猫缶を食べずにすんだアイチ達は、お礼を言ってお弁当を広げようとした。
『あ！いた！』
「カサネさん！」
『探したよ』
手に紙袋を持って、カサネが小走りでやってきた。「カサネちゃん。どうかしましたか？」とテーブルの前まで来たカサネにシンが聞いた。
『これ、お弁当作って来たんだ。.......あ、もしかして、シンさんがおせち並のお弁当作って来てた？』
「そ、それが......」
『ん？』
顔の横辺りまで紙袋を上げるカサネ。
アイチが戸惑いつつ、チラッとテーブルの方を見た。つられるようにカサネもテーブルを見れば、そこにあったのはお弁当箱ではなく、店長代理の猫缶。
『え.....？何で、店長代理の猫缶.....？』
心底不思議そうな表情の彼女に、アイチが説明をする。
『間違えて持ってきたの？』「はい......」とことのあらましを聞いたカサネは、再度猫缶を見た。
『(どうやったら、間違えるんだろう？)』
最もな謎である。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年7月2日 22時
