◇お弁当タイム �� ページ11
落ちついたカムイが戻ってきた。
さっきまで、森川にエミちゃんの作ってきてくれたサンドウィッチで、落ち着きなかったから、ちょっとは戻ったみたいで良かったよ。
「じゃじゃーーん！カムイちゃんの顔のお弁当！！」
『おお....！』
カムイの前に移動して、ナギサちゃんはお弁当箱を開けた。パカリと開かれたお弁当の中から現れたのは、カムイの顔。
お弁当のメインは、カムイのキャラ弁。
おかずもあるが、一番最初に目が行ってしまうのは、カムイの顔だ。目がキラキラしていて、ナギサちゃんから見た、カムイはこんな風に王子様風なのだろう。
恋する女の子は強いから。
「食べて！」
「い.....！？」
「モテモテだなあ、クソガキさん」
「嫌だぁぁぁ！！！」
ﾄﾀﾄﾀﾄﾀ!!!
叫びながら走っていくカムイの後ろを、ナギサちゃんがお弁当箱を手に持って追いかける。追い付かれないように、カムイは走るスペードを速めた。
決勝戦までに体力使い果たして、しまいそうだなぁ。
でも、小学生は元気な方がいいのかな？
「あっ！」
『！』
ナギサちゃんが石につまずき、手からお弁当が放れた。お部屋は、中をまって「あ？なんだ？」と不思議そうに空中を見ていた森川の顔面に、ダイブした。
お弁当箱ダイブ。
『デジャブ.....』
さっきも、同じような光景を見たよ。
モグモグモグ....、ゴックン。
「.......ああああああっ！！辛あああああっ！！！」
お弁当を飲み込んだ森川は、顔を真っ赤にさせ、慌てふためく。
何が入ってるの......！？
「何を入れた.....？」と森川の様子を見たカムイは、真剣な表情をして中身の事をナギサちゃんに聞いた。森川の様子からして、そーとう辛い物が入ってるのは予想できる。
「わさびでしょ、マスタードでしょ、ペッパーソースに、唐辛子。とにかく辛いものいっぱい！」
『(一種類とかじゃなかった......)』
唐辛子とか、わさびとかならわかれるけど.....まさかいろんな種類が入っていたとは。
カムイの顔も辛いの入ってるんだよね？
「カムイちゃん、辛いの好きだったでしょ？」
「あんなもん俺に食わせる気だったのか！？」
「えへ！カムイちゃーーん！！」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年7月2日 22時
