◇アイドルな友達 �� ページ32
「立凪コーリン」
『新導カサネです』
そう言ってくれたのは、お店の前で、私と同じように一人で来た女の人、立凪コーリン。黄色の髪に緑色の瞳の美人さんである。やっぱり、話してみてもさっき会ったミサキと同じようなカッコいい感じの女の人だなぁと印象を受けた。
「......！新導.....」
『珍しい漢字の名字ですよね〜』
「え、ええ」
私の名字が、聞きなれなかったのか呟く彼女。
転生した時、私も珍しくて驚いちゃった。
小学校も中学校も、今の高校にだって同じ名字の「新導」って人はいない。読み方が同じって人はいるんだけど.....漢字が同じ人は会ったことない。
櫂やアイチの「先導」って、名字もあんまり聞かないから、最初聞いた時は驚いたんだよねぇ。
『えっと、すみません。突然誘っちゃって.....』
「いえ、私も食べたかったし気にしなくていいわ」
そう言ってもらえるとほっとする。
『立凪さんは、このお店初めてですか？』
「コーリンでいいわ。他にも立凪って子がいるから」
『そうなんですね、じゃあ、コーリンさんって呼ばせてもらうね。私の事は.....』
「カサネって呼ぶわね」
『うん』
実はコーリンさんは今、中学三年生らしいのだ。
私の一つ下、なので敬語じゃないんだけど......だけど、どーしてもコーリンさん呼びが私には、しっくりきたのでそのまま呼ばせてもらう事にした。
『コーリンさん、ヴァンガードファイトするの！？』
チーズケーキのプレートが、来るまでコーリンさんとはいろいろ話した。来るまで暇だったし、気まずい雰囲気の沈黙は耐えられない(マジで)。
そこで発覚した、コーリンさんがヴァンガードをすると言うこと。たまたま会った女の人が、ヴァンガードファイルを知ってて、ファイターだったとは嬉しい出会いだ。
「カサネも知ってるのね、ヴァンガード」
『勿論！私、カードショップでアルバイトしてるんだよ』
「ヴァンガードファイト、カサネもするの？」
『！』
ファイト.....。
ヴァンガードファイトかぁ.....。
最近はアイチ達のファイト見てる事がほとんどだった。
「どうかした？」
『え、ううん。何でもないよ。ファイトは.....まあ一応.....するかな』
一応するんだけど......最近はやってない。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
