◇初恋プロローグ �� ページ14
noside
「あ〜あ、またやってるよ。あの天然鈍感バカは」
「あれは今に始まったことじゃねーだろ」
カサネとアイチ、二人がこどもの頃に会っていた事がわかった。二人は二人で話しており、その状況をミサキ達は見守っていた。
「ああ、そう言えば、あんた達カサネと同じ学校なんだったよね」
「そうそう。......ついでに俺も櫂も小学校からな」
「なら、アレもわかるんだね」
「勿論」
視線を向けるミサキに三和は、頷いてみせた。
彼女が、言う「アレ」とはカサネが無自覚に行ってしまう事だ。決して、ダメなことではないけれど、相手によるのは確かになってしまう。
「ど、どういうことだ？」
「....アイツ、新導カサネはよくああやって無自覚にあの笑顔を向けてるんだよ。誰彼構わずに相手を惚れさせたりとな.....」
「確かによく見たら、あの人すごく美人だよな」
本人はあまり自覚していないが、新導カサネは美人と呼ばれる部類である。顔面偏差値の高いと周りについて言っているが、本人も美人だが気づいていない。
いや、自分の容姿云々よりも、転生したという非現実的な事の方が、カサネにとっては大きな出来事だったため、容姿については気にしていない。
「おまけに性格もいいから学校でもモテる。しかも、アイツは櫂と違ってよく笑うから」
「おい」
「さらにモテる。.......あれは確実に....アイチはカサネに惚れたな....(まあ、元々好きそうだったけどな.....無自覚に)」
「ああ」
「.....だろうね」
三和の言葉に、ミサキは勿論の事櫂までもが頷いて見せた。カサネとアイチが話している中、ミサキ達がそんな会話をしていたなんて、本人は全く知らない事である。
──────────
『あ、そう言えば私自己紹介してなかったよね』
今更ながら、自己紹介してないことを思い出したカサネ。お互い、何にも知らないまま(知らないってほど知らなくはない)であり、名前もちゃんと紹介しないのはまずいとカサネは思った。
『改めて新導カサネです。櫂達と同じ後江高校の一年でカードキャピタルでアルバイトしてます！』
「僕は、その.....知ってると思いますけど、先導カサネです。よろしくお願いします、カサネさん！」
『よろしくね、アイチ！』
「はい！」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
