◇再会のヴァンガード �� ページ11
「あ、ありがとう」
ファイトで取り戻せと言われた相手から、″ブラスター・ブレード″が、手元に戻って来たことに驚きと安心した表情を見せた。
アイチにとって、″ブラスター・ブレード″が大切なカードで、手離せないユニットなんだなって思う。
櫂が優しい！？
「ルール説明をしてやる上に、カードを相手に貸すか？お前にしては、珍しく優しいな」
彼の言葉に櫂は、否定する眼差しと言葉を声に出して言った。
「そんなんじゃない。.....ルール説明は一回しかしない。ちゃんと聞いておけ.....始めるぞ」
「は、はい」
「イメージしろ。今の俺達二人は─────......」
＿＿＿＿＿＿惑星クレイ
ヴァンガードのユニット達が、数多くのファイターと共に戦う星。
櫂は、ヴァンガードファイトについてアイチに説明しながら、ファイトを始めた。ルール説明しながらだったので、ファイトはゆっくりのペース。
『(早速、始まったね)』
ファイトが進むに連れて、アイチに″ブラスター・ブレード″をあげた人物が発覚した。
『(.......櫂だったんだ)』
今、アイチとファイトしている櫂だったようだ。二人とも会った事があるようで、櫂も″ブラスター・ブレード″をあげた事を覚えていたみたい。
櫂の十八番であるグレード3のユニット″ドラゴニック・オーバーロード″をライドし、櫂のいつものパターンがきた誰もが思う。
思ったんだけど、アイチのピンチにヒールトリガーがきて間一髪。アイチは、まだ負けてない。
『..........(本当に......)勝負の世界って最後までわからないね』
だから、ヴァンガードは楽しいのかもだけど。
このファイト、勝ったのはアイチだった。
二人とも勝負を楽しんでいファイトしていた。
珍しく櫂もそんな雰囲気だった。櫂はデッキを集め、″ブラスターブレード″をアイチに渡す。
「やっぱり、そのカードはお前のモノだ」
「櫂君」
「櫂！おい！」
アイチにカードを渡し、キャピタルから歩いて出ていった櫂。慌てて、三和が追いかけ出ていった。「櫂君！」とアイチが慌てて、外に出て、その後ろ姿をアイチが追いかけ声をかける。
「櫂君！ありがとう！！」
アイチの声を背に、櫂と三和は歩いて行った。
振り向きもしない櫂は、彼らしいと思えてしまう。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年6月22日 22時
