第12話 転生少女は冬柱�� ページ44
「あ」「.......」と目があってから、義勇の行動は速かった。あっという間(捕獲→お姫様だっこ→抜け出せない)に花屋敷の......、それもしのぶの前に連れてかれたのだ。
「こんにちは、咲々芽ちゃん」
『カナエさん！』
「甘やかさないで姉さん！」
「こんにちは！」と現れたのは、蝶の髪飾りを両方に付け美人、胡蝶カナエさんに挨拶をする。にこりと笑顔の彼女は、女神みたいに綺麗な人。それでいて、柱と強いのだ。
「咲々芽は稀血なのよ！」
『(稀血ねぇ)』
「稀血」を持つ人間は、鬼達にとっては、最高のパワーアップ素材、極上のデザート等々普通の人間を食べるよりも強くなりやすいんだそうだ。後、稀血は鬼に狙われるけど、鬼を酔っぱらいみたいな状態にもすることができる......らしい。
実践したことはまだないけど、国近の友達のお萩大好きな顔面偏差値は高いけど、怖い顔をしたお兄さんが、実践したというのを聞いた事がある。
「そこら辺の普通の鬼にやられないのは、わかってるけど狙われることが多くなるのは確かなんだから、用心に超したことはないの！」
「しのぶは、咲々芽ちゃんの事をすごく心配してるのね！」
「なっ！？」
『しのぶ.....！！』
「そ、そういうんじゃなくて！もっと柱の自覚を持ってほしいって思って......！」と照れ隠しのようにいう姿にカナエさんと二人ニヤニヤしてしまう。ツンツン言いつつ、私の事をちゃんと心配してくれている。
本当に可愛いよね、しのぶは。
『ありがとう、しのぶ！今度は気を付ける』
「ええ、気を付けてね」
『..............多分』
「多分じゃなくて、絶対に！ぐらい言って！バカっ！」
いや、絶対は言いきれないよ〜。
なんか、もう一回.....数回は鬼関係なしに怪我して、放置して、連行されてきそうだもん。その些細な怪我関係なしに、鬼と......上弦の鬼と戦って、大怪我して来ることだって、なきにしもあらず。
柱である私とカナエさんは、危険な任務が多くなるから、そういうのも含めてしのぶは、何倍も私達を心配してくれている。それを私も、勿論カナエさんだってわかっている。
「ふふっ、二人は本当に仲良しね〜」
優しそうな、嬉しそうな笑顔で私達二人をカナエさんは、見ていた。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
