【鬼滅の刃】そこで見つけた六花ノ景色 (ページ33)

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第10話　奇跡なんて早々起こらない① ページ33

夜の月が良く見える。
一年中狂い咲く藤の花が、暗闇に綺麗に光る。

『冬の呼吸＿＿＿＿壱ノ型』

最終選別。
この山には、鬼殺隊が生け捕りにした鬼がいるそうだ。
その環境の中、七日間生き残れば、合格となる。

体力と精神力が必要になるし、技術も勿論大切だ。
なかなかハードな最終選別で、一歩間違えれば即人生終了のお知らせが来ることになる。

「稀血ィィ～～！！！」

いや、私そんな名前じゃないので。
私の方へと走ってくる人間の面影を残しつつ、異形と成り果てた姿をしたモノ。......鬼。

『＿＿＿＿＿＿白世の淡雪』

ふわりと飛び上がり、軽い足取りで鬼の頸を斬った。
斬られた事に気づかぬほど優しく軽い衝撃。
けれど、頸は斬られる。

この型は、あの日思い付いた冬の呼吸の型。
帰ってすぐに師匠を呼んで、型を見せれば泣いて喜ばれてしまった。師匠には、いろいろ相談にのってもらったし、私が行き詰まってる事も知っていたから、ものすごく心配をかけてしまっていたんだと思う。

めちゃくちゃ、そう思うけど。

カチン。

刀を鞘にしまい、辺りを確認する。
一応、鬼はいないみたい。

でも、警戒は怠らないようにしないとだ。
さっき、今とは別の鬼を一体斬った後に「もうここにはいないね！」とか思ってたら、二体現れて襲われたからだ。勿論、倒したので無傷である。

『とりあえず、歩こう』

夜は鬼が行動する時間帯。
なので、鬼殺隊も基本夜が行動する時間帯なのだが、今まで(前世)は、朝型(学校に行ったりと基本的に動いてたのは夕方ぐらいまで)だったので、眠くならないか心配だ。

朝になったら、鬼は行動しないから日の当たる場所を見つけて、食糧調達と寝床を見つけなくてはいけない。川とかあると楽なんだよね～、お魚を焼いて食べれるしお腹の足しにもなる。

後、山菜。
誘拐された先で私はそれとちょっとのご飯で生活していた。師匠の所でも食べてたし、ここでも山菜があると私的には嬉しい。

『(後は、怪我しないようにしないとだな)』

怪我すると血が出て、鬼との鬼ごっこが始まっちゃうから。
まあ、血が出てなくても「稀血～！」と追いかけられてるから、怪我しなくても変わらない気がしなくもないんだよねぇ。

「見つけたぞ、女ァァァ！！！」

『わあ、来た』

　