第9話 藤ノ花と最終選別�� ページ30
「忘れものはない？」
『はい、大丈夫です！』
雲一つない空の日。
師匠のリクエストで、昨日の晩御飯と今日の朝御飯は私の好きなものと言われて、いつもよりもお高い食材を買って洋風のご飯を作った。
すごく美味しかったです！
師匠にも、「今すぐにでもお嫁に行けるわね！」と褒められた。
『羽織オッケー、刀オッケー、藤の匂い袋オッケー！ちゃんと持ってます！』
「うん、忘れものはないみたいね」
あれからまた、数ヶ月たった。
私の呼吸は完成して、型も数個だけどできた。
そして、声も出た。
声が出たのは、呼吸が出来た時よりも驚いてしまった。一年少し？二年ちょっと？だったっけな？声が出なくなったのは。
「髪の毛も昨日整えたし」
『伸びてた前髪も師匠が切ってくれたので、バッチリですよ！』
声が出たことを早速、遠くで私と同じように修行している小芭内さんに、文を送って知らせた。結構心配をかけてしまってたみたいなので、「良かった」という言葉をもらえて、嬉しかった。
が、しかし......、
途中の文章に私への心配事と注意事が細かく書いてあったため、何回か文を閉じてしまったのは、許してほしいかな。
正論過ぎて、ちょっと心へのダメージが大きかったんで。ネチネチ言われてて、何か将来の性格が垣間見た気がした。鏑丸も元気で成長中らしい。
二人にも久しぶりに会いたいなぁ。
「場所はわかるわよね？」
『勿論です！バッチリ、頭に入ってます』
師匠から教えてもらったからバッチリ頭の中に記憶している。それになんやかんや着くから大丈夫。
「近くなれば、藤の木と匂いがするから」
『藤の花がいっぱい咲いてる所なんですよね？』
「ええ、そうよ」
型も修得した私は、これから最終選別へと赴くことになる。
鬼狩りに、鬼殺隊に入隊できるかは、これから行われる最終選別の試験で生き残れるかで、決まる。重要な試験である。
出発前から緊張してるし、心臓バックバク。
比べるなら、高校の受験よりもだ。
でも、それと同じくらい道中がとてつもなく心配である(過去にいろいろある.....誘拐関係)。
「あ、行きに食べるおにぎりは持ったの？」
『はい、ここに！』
「本当は私が作ってあげたかったんだけど.....」
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
