第8話 冬の呼吸�� ページ28
つい先日、驚くべき衝撃な事実を知ってしまった仁樋咲々芽です。どうもこんにちは、初めまして。初めまして、こんにちは。まあ、どっちでも意味は一緒なので挨拶は伝わると思います。
『【ダメだぁぁぁ......!!】』
師匠から「灯りの舞」の伝授は上手くいっているのに、自身の呼吸を生み出す修行は一向に進まない。
呼吸の元になっているのは舞なのでサクッとできるのでは？と思ってたけど、無理だった。
全然無理。
無理すぎて、何回かマジで泣いた。
前世(精神年齢)は、ちょっと上だけど。
『【私、そこら辺の才能なかったっけ？】』
季節は冬.....から春に変わる頃。
師匠から舞を見せてもらい2ヶ月はたったと思う。
辺りは一面銀世界。
でも、気温は最近暖かくなってきたから過ごしやすい。
ポカポカだけど、まだ寒い。
.......と思いきや、春に近づく季節になったというのに、未だに雪は降る。まだまだ雪が積もるのかな？と思うけど、今回ので最後なんじゃない？と師匠は、空を見上げて話していた。
それに少しだけ、寂しさを感じる季節だった。
雪が積もって寒い毎日を過ごす季節は、もうそろそろ終わりになるんだなぁと思うと少しだけ、残念な気持ちになる。チラチラと降っていた雪はいつしか、豪雪になり地面を覆っていく光景を今年は何度も見た。
毎年毎年、雪を見ても「かまくら作ろ！」「雪だるま作ろ！」と身体年齢に引きずられた遊びをしようとしていた。けど、今年はめちゃくちゃ忙しかった。
「雪かき大変そうね」
『【ですね】』
「手伝ってくれる？咲々芽ちゃん」
『【勿論ですよ！】』
「雪かきも修行になるのよ」
『【おお〜！】』
.......と、思いきや修行の合間に雪だるまを作ったり、かまくら作ったりしてた(常に全集中・常中は発動)。
全集中・常中ができるようになった私は軽々と屋根の上まで上れたので「怖ｯｯｯｯ!!!」と叫んでしまったのは許してほしい。
人間やめてない？私。
「今日も山の探索に行くの？」
『【はい、呼吸のヒントがあればなって思っているので】』
ここでの暮らしだと大体の事が、修行になる。
なるのに、呼吸のアイディアは一切わからない。
本当に全然浮かばないっ......！
「気分展開になるかもしれないものね。行ってらっしゃい！」
『【行ってきます！】』
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2023年4月15日 14時
