【ブルーロック】方向音痴の初恋話 (ページ17)

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「蜂楽の事、好きなんじゃないの？」

『違うよ。蜂楽君は友達だ.....それに』

「「好きって感情がわからない」って.....」

早貴の言葉にコクりと頷いた。
前世で推しとかいたけど、本当に好きになった人なんていなくて、今世では恋愛よりも方向音痴で迷子になることでいっぱいいっぱいだから恋愛なんてしたことない。

初恋まだな人生二回目高校生である。

『素直に好きになってもらう事は嬉しいけど.....、それが好きかはわからないじゃん』

「付き合ったら好きになるとかあるかもよ？」

『それは嫌だよー。蜂楽君にはちゃんとしたいんだ』

あんなにもサッカーに一生懸命で、夢中になれるものを持ってる人に失礼な事なんて出来ない。
蜂楽君なら「それでもいいよ！俺の事好きになってもらえばいいからね！」とかポジティブな言葉をもらいそうだから、絶対にそういう事にならないようにしてるけど.....。

「彗のそういーとこ昔から変わってないね」

『簡単に人は変わらないものだよ』

なので私の方向音痴も直りません。
教科書とペンケース、勉強に使った道具を鞄にしまい借りてた図書室の参考書を元の場所に戻しに席を立った。本をしまって、早貴の待つ場所に歩いて行こうとして気になる本を見つけた。

『(あ、これ.....新しい本？)』

この間、本屋で見つけた気になる参考書があった。
手を伸ばし、ペラっと本のページをめくってさらりと内容を見て読んだ。あ、これ分かりやすい.....。

次の図書室での勉強の時、この本借りようかな？

「彗？」

『あ、ごめん今行くね』

「何か気になる本でも見つけたの？」

『うん。この間、本屋で見つけた本』

「あー、蜂楽と行ったっていう？」

『そうだよ。蜂楽君が一緒に行ってくれた時に見つけたんだ』

河川敷での練習の後、私が参考書を見てたの知ってたみたいで、送ってくれる途中でよってくれた。

「デートか何かなの？」

『違いますぅー！仲のいい友達との放課後散策ですぅー！』

早貴が持ってきてくれた私の鞄を受け取って、図書室の扉の前に歩き出した。司書の先生に軽く頭を下げて教室を出た。

「今日、クレープ食べてかない？」

『行く！この間はチョコバナナだったから今日はイチゴにしよー』

放課後に遊ぶのは、青春みたいでいいよね。

　