◇悔しさを越えていけ ページ37
前の試合が終わり、扉前で待機していた私達はボールの入った籠を押して、入れ替わりで中に入っていく。熱気に包まれる体育館は、緊張感があって、ドキドキして、いつもよりも目線を感じる。
夏の全国大会。
私達の最後の三年目の今年は、準決勝まで進んだ。
『千歳ぇ！！』
トスを呼ぶ。
彼女の目線がこちらに一瞬向けられて、助走をつけて、線ギリギリで跳んでスイング。
「湖羽！！」
『(打つｯｯ！！)』
トッ！
ドガッ！！
吸い込まれるように私の右手には、ボールがあって迷わずストレート。ボールは、床に打ち付けられて点を決めた。レシーブでボールを止めて、ブロックでドシャッと落とす。
『ライト！！』
「湖羽先輩っ！！」
ガッ！！
でも、届かなくて....。
私達の攻撃は、ブロックは届かなくて.....。
《ﾋﾟﾋﾟｨｰｰ!!》
『.......っ.....』
「負け.....た....」
準決勝、私達は敗退した。
コートに悔しさを残して。
──────────
『去年よりも成長したね、私達....』
「そうだね」
『.....悔し、.....ぃ...なあ....。もっともっと翔びたかったよ....』
「知ってる.....相棒だもんよ....」
『そっかあ....うっ....ぅ.....ぐや゛じい゛.....』
「.....知っ、てる......よ.....うっ....ぅ....ぅ....」
中学最後の大会はこの日終わった。
涙は止まんなくて....、届かないとこんなにも悔しいんだなって再確認した。
試合に勝てば、嬉しくて。
試合に負ければ、悔しくて.....。
試合中は楽しい、悔しい、嬉しい、ワクワク.....、色んな思いが混じって、合わさって.....。
終わったら、
『う゛ぅぅぅ.....、あああああぁぁぁ.....』
「ﾋｯｸﾞｯｯ.......ﾋｯｸﾞ、ﾋｸﾞｯ.....ダメ、だな゛ぁ....」
越えていこう。
越えていかないと。
越えていかなければ、私は前に進めない。
弱くはならないだろうけど、強くもなれなくなってしまう。
強いライバル達と渡り合えない、若利や及川、木兎.....クロに研磨とも。
『(研磨にバレーが楽しいって思わせないとね.....！)』
日向もきっとそれを目指すと思う。
私も彼にそう思って欲しいと思っている。
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夏菜沙(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます！直させていただきました。 (2022年4月12日 10時) (
レス) id: 6b5f9c4200 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - フォーカーフェイス…ポーカーフェイス？？ (2022年3月21日 12時) (レス) @page15 id: cfde1fd93c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2021年8月25日 19時
