◇兄は何でもお見通し？ ページ49
私が転けちゃってとアクシデントがあった後、兄さんと共にショッピングモールに行くことになった。イケメンである兄さんに女の人の視線が集まってめちゃくちゃ隣にいるのが恥ずかしいが、兄さんは自身の恋愛事に興味はないし、こういう視線も気にしないので普通にしていた。
「湖羽、彼氏できたんだって？」
『....ッ....！？』
気になる本を買って(兄さんに読んだら貸してと言われた)、服を見ながらお店を見て回った。ちょっと疲れたなとフードコートで一息付くことに。クレープのお店の前に並んで休憩として食べる事にした。兄さんが奢ってくれました。
私はイチゴとホイップクリーム、千歳はチョコバナナ。兄さんは小腹が空いたとかでたこ焼きを買った。席についてモグモグと食べていれば、私を見て兄さんが口を開いた。内容は「お前彼氏できたの？」である。思わず、噎せてしまった。兄さんが水を差し出してくれて慌てて飲む。
『な、なんで.....知って.....』
「え、本当にできたの？」
「え？」
『へ？』
「『(勘！？)』」
やられた、兄さんにカマかけられたんだ。
「本当にできたんだ」と言った兄さんは私を見ながら「俺聞いてないよ？」と。
『彼氏できたよ！ってわざわざ兄に言うものなの？』
「なの」
『なのって.....えー』
そういうもんだっけ？
彼氏できたら兄さんに言わないとなんだっけ？
チラッと千歳をみたら、首を振っていたのでそういうのはないらしい。だよね？？クラスで付き合ったって人が兄や弟に紹介したってのは聞いたことないよ？
「恋愛よりもバレー大好きな湖羽が、ね」
『皆の認識、私=バレーなんだね』
「違うの？」
『いや.....まあー....そうだったけども』
「！」
今は違う。
バレーが好きなのは本当だし、ロールケーキが大好きなのも変わらない。でも、それと同じくらい.....。
『同じくらい真波の事が好きなんだよ、私は』
「........(へー、湖羽本気で恋してるんだ)真波クンって言うの？」
『あ』
「(湖羽、霜さんに教えるつもりなかったのね.....)」
つい口に出して言ってしまい慌てて口をつぐんだ。
兄さんに言うつもりなかったのに.....。
なんで言わないでおこうと思ったって？
そんなの普通に恥ずかしいからに決まっているでしょ！
ポーカーフェイス頑張って、私。
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作者名：夏菜沙 | 作成日時：2022年12月25日 19時
