◇歯車 ページ9
「あの梟谷の木兎君は不思議ですね。敵であろうが称賛の拍手を贈りたくなる選手というか.....。格上と思ってしまってるからかもしれませんが」
「確かに。敵味方関係なく士気を高めてしまう選手かもな」
「そういう意味では箱根学園の美園さんも木兎君と似ていますね。見惚れてしまうような人を惹き付ける選手」
「本人は無自覚なんだろうけどな」
千歳からのトスでラインギリギリのストレートを決めてた私の方を見て烏野のコーチと武田先生が言っていたなんて知らなかった。
「あ、日向君がフェイントしてますよ!」
『早速実践したか〜!いいね!いいね!』
日向がスパイクを打つと赤葦達がブロックしようとしたのだが、その上からボールを優しく打った。レシーバーが三人ボールを拾いに行くが間に合わず、ボールは相手チームの床に落ちた。
「教えた人のチームで実践。木兎さんが木葉さん達に睨まれてますね」
私達の練習をたまに見に来ていた希穂が睨まれてる木兎を見て苦笑。教えたから、点数入っちゃったしね。
「静かだなぁ、影山君」
「あ、そう言えば話したんだっけ?」
「同じ一年生なので」
智秋ちゃん、いつの間にそんなにもコミニュケーションをとってたんだ。うちの一年生は他の学校の一年生達と交流する機会が多かった.....らしい。確かに話してるところとか見たなぁ。
影山が静かなのは私も思った。外から見ても分かる感じで、日向が跳んだことによりトスは彼の前へ。ボールが来て、そして、彼の目の前で止まるという神業。打点で止めるなんて事は、まず一握りしかできない技術。チラッと隣のその一握りに含まれる人を見れば、目をキラッキラッさせていた。やる気満々だな。しおりん監督の方をみたら、目があって「あれ、お前らもできるだろ?練習すれば」という顔をされた。いや、まあできるけど。.....できると言えば、稲荷崎の双子もできるでしょ。
「翔陽は.....」
「ん?」
「いつも新しいね」
「「『!』」」
研磨の目は翔陽に釘付けで。
楽しそうな表情をしている。
「もしチビちゃんがうちにいたら、お前ももうちょいやる気出すのかね?」
「翔陽と一緒のチームは無理」
「え、何で?」
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マシュマロ。 - 月が綺麗ですねって、なんで気付かないんだろ〜〜。私も気付かない気がするけど… (2022年11月26日 17時) (レス) @page13 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月20日 0時