◇面白い走りをする奴 ページ6
美園湖羽side
『ん?』
「どうかしたの?」
『いや、ちょっと電話着てる』
合宿の部屋割りが烏野のマネージャー二人と同じになり、潔子と話していれば、私の携帯に電話がかかってきた。部屋割りが潔子となった時は「よっしゃ!!修学旅行の夜みたいで楽しみ!」「私も楽しみ」と微笑みながら言われて、私のHPは一気にダメージを受けた。さ、さすが潔子。美人の微笑みはダメージが大きいよ。免疫ついたと思ってたんだけどなぁ。
「先寝てて」と潔子に言って、部屋を出た。廊下を歩いて、階段辺りに腰を下ろして通話ボタンを押す。
『《もしもし、こんばんは真波》』
「《こんばんは〜、湖羽先輩》」
電話をかけて着たのは真波。
着信着た時は驚いて、一瞬「え?」となった。尽八ならわかるよ。尽八なら。食堂でご飯食べた後にかかってきたもん。巻ちゃんとの勝負が楽しみだって電話が毎日のようにかかってきて、着拒し始めてる。あれは結構早い段階で着信拒否した。巻ちゃんも勿論煩すぎで電話切ってるし。「部活の合宿あるんだー」って電話したら「俺らも先月あったぞ」と連絡いただいたよ、私は。
「《まだ起きてました?》」
『《うん。まあ、寝るとこだったけどね?それで真波は何のご用で?》』
「《いや〜、なんとなく先輩に電話かけたくなったんです》」
『《そっかー》』
電話をかけたくなるって、まあ、私もたまに夕に電話したくなってするしなぁ。
『《あ、そーだ。この間、楽しそうに話してたでしょ?「面白い走りをする子がいた!」って》』
「《はい!総北で同じ一年生で山で倒れてたんです》」
山で倒れてたって。
聞けば、車酔いで飲み物飲みたかったのにお金がなかったそうで、そこにたまたま通りかかった真波がボトル渡したんだそうだ。その遅刻してきた日、楽しそうに「先輩ー!面白い走りする奴見つけたんです!!」と言われて、楽しそーだな、真波って感想が出てきた。詳しく少年の事は聞いていなかったので、今この場で聞こうかと思った。
「《そうなんです!坂好きって聞いたら、好きって言ってくれて笑って登るんですよー!》」
『《へー....。君の事だから勝負でもした?》』
坂があるコース?ならしそうだよね。
よくわからないけど、総北なら巻ちゃんが言ってた合宿でしょ。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マシュマロ。 - 月が綺麗ですねって、なんで気付かないんだろ〜〜。私も気付かない気がするけど… (2022年11月26日 17時) (レス) @page13 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月20日 0時