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◇落ちたボール ページ18

準々決勝、準決勝と進み、決勝へと進んだ私達。相手は、井闥山学院高校。若葉達のいるチームだ。前日のミーティングで、皆の調子も私の調子も良かった。

当日の朝のアップ。試合前のレシーブ、スパイクの調節と直前のウォーミングアップを済ませ、しおりんの元へ。


スターティング選手の紹介。自身の着ている水色の半袖ユニフォーム、サポーター、バレーシューズをさりげなく見て、自分がいることを再確認する。審判さんの真剣な時間チェック。高らかになる笛の音と共に試合が始まる。


サーブは井闥山。
レシーブは箱根学園。


向こうの選手のサーブと共に点取り合戦のスタートだ。






──────────






ダッ。


________バシュ。



『しゃあっ!!』

「湖羽先輩、ナイスキー!!」

「このまま、第二セット取るよっ!!!」

「「「「「『はいっ!!!/おうっ!!!』」」」」」



第五セット。井闥山学院高校が2セット、箱根学園高等学校が2セット。このファイナルセットを勝ち取った者が今年の優勝校となる。このまま、続くのではと思われたファイナルセット。どちらも、体力と気力が限界に近い。でも、私達も若葉達も勝ちを譲る気は一切なく、全力で勝ちをつかみ取ろうとしている。



トッ。



「ナイスレシーブ!」



桜良が向こうのスパイクをレシーブして、綺麗にセッターにボールを返した。智秋ちゃん、鳴海ちゃんがスパイクを打つ姿勢。そして、私も跳ぶ。


手をスイング。
指に手全体に重みと少しのヒリヒリ感を感じる。

私の手にボールがあったのだ。



バッ!



_____ドガンッ。



『!?!?』



完璧なトス、完璧なタイミング、完璧な助走、完璧な空中姿勢、完璧なコース.....。全てが完璧な攻撃だった。


でも、.......こちら側に聞こえた。
ボールがぶつかる音が.....。

上を後ろをボールが飛び、落下していく、こちら側のコートに落ちていく。桜良達が走って、手を伸ばす。

ボールは白い線の内側に.....。



《ピッ》



旗は線を差し、コートに大きな笛の音。
何回も聞き覚えのある試合終了の合図。

私の身体は重力に従い、下へ下へと落ちていく。
立っていた身体はコートに腰をおろした。



『......ま、け....た.....』



その言葉が私の中で回る。



インターハイ、私達が井闥山に敗北したのだ。



 

◇エースとして→←◇夏の舞台



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マシュマロ。 - 月が綺麗ですねって、なんで気付かないんだろ〜〜。私も気付かない気がするけど… (2022年11月26日 17時) (レス) @page13 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月20日 0時

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