◇ゴールラインを目指して ページ38
ロードレースは山登れるようにならないとって迅君や新開、平坦得意で登り得意じゃない組が言っていた。
「《間もなくトップ選手が登ってきます。この先、コース内には立ち入らないでください!》」
「『!』」
彩芽達と待っていれば、スピーカーから聞こえてきた注意。
「《現在先頭争いは二人、トップは総北高校176番小野田坂道選手!続いて箱根学園ゼッケン六番真波山岳選手!》」
てっきり、尽八がゴールを狙って登って来るのかと思っていた。巻ちゃん、金城、福ちゃん......そして、京都伏見の御堂筋辺りがゴール争いをするのかと思ってた。
「《繰り返します!トップは総北高校小野田坂道選手です!》」
「何かアクシデント.....ですかね」
「真波がゴール争い」
『本当にロードレースって何が起こるかわからないね.....』
「そうだね」
私達が来た時よりも人も多くなってきた。
「あ、いた」
『兄さん』
「霜さん、どこにいたんですか?」
「ちょっと、富士を見てきた」
ゴールゲート前、箱根学園自転車競技部のメンバーがいる手前の場所で兄さんと再会した。どこに行ってたのか聞けば、富士を見ていたと。コース内に入れなくなり(さっきまで入れて、写真とか撮れた)、そのご自慢の高い身長を生かして私達を見つけたんだそうで、私を見つけた時の「チビ」と言う一言はいらなかった。超いらなかったと思う。
「お前の後輩と友達がゴール争い?」
『うん。真波山岳と小野田坂道がここ目指してる』
「すごいな.....、一年生か」
『そうだよ』
二人とも一年生で、このインターハイラストステージを戦っているんだ。クライマー同士で、初めてのラストゴール。山頂目指して二人は走ってる。
「放送がないから今どうなってるかわからないね」
『ただ、二人がゴールに近づいて来てるのは分かるよ』
さっきからどうなっているか分からなくて、向こう側の下のコースが見える方のゴールゲート側じゃないからわからない。さっき、総北のマネージャーさん達が飛び越えて向こう側に行ってた(マネージャーさんが関係者のパス見せて反対側へ)。
残り500mをきれば、最後のゴール争いになる。刻一刻と小野田と真波は近づいて来てる。どんどんと歓声の声も近付いてくる事で「いよいよ」だって思えてくる。
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マシュマロ。 - 月が綺麗ですねって、なんで気付かないんだろ〜〜。私も気付かない気がするけど… (2022年11月26日 17時) (レス) @page13 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏菜沙 | 作成日時:2022年11月20日 0時