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ザシュ――― ガッ―――
沖「さっきからその反応」
沖「お前ェ攘夷浪士かィ?」
真っ赤な目をギラリと光らせながら、自ら突き刺した刀を壁から抜くのは、真選組一番隊隊長沖田総悟。
沖「悪いが俺ァ」
沖「女でも手加減しねェぜ」
刃先をAに向け直し舌をなめずると、Aの話しなんて聞かずに向かってきた。
貴「…年頃の男の子って」
貴「本当に聞き分けがないねェ」
しぶしぶAは刀を抜いて、耳に響く鉄の音を鳴らす。
距離を取ってまた直に向かってくる沖田に、Aはやれやれと面倒くさそうに形を変えると、沖田は容易く尻餅をつかされた。
沖「…こらァまいったねェ」
目の前に刃先を向けられているにも関わらず、平然と口を開く沖田。
「辞めとけ」
割って入ってきた土方十四朗の煙草は、随分と短くなっていた。
貴「・・・そうだねェ」
先ほどとは違って従順に従い、Aは刀を鞘に戻す。
そして、沖田に向かってそれを放り投げた。
沖「お前ェさん、…」
「副長ッ鉄がァァァ!!!」
唐突に聞こえた声。
その隙にAは再び屋根に登り歩いていく。
慌ててとめ様と声を荒げるも、切羽詰った隊士をほっといておける訳も無く、追いかけることは叶わなかった。
貴「お勤めご苦労様です」
去っていくAの背中に、後を引く何かがあった。
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時