/ ページ14
.
.
.
「お前、危ねェぞ」
屋根の上だという事も忘れて思い出した今朝に浸っていたら、我に返った頃には遅く、地面は目の前。
「しまった…!!!」なんて声を出しても、地面と衝突した鈍い音に消された。
「派手に落ちましたねェ」
「生きてるかァ?」)
近寄ってくるのはジャリの足音と2種類の声。
痛さに耐えながら上半身を起こし、差し出された手に掴まった。
貴「ありがとうございます」
貴「あ、すみません」
引き立たせて貰ったら思ったよりも距離が近かく、慌てて後ずさり。
フードを確認する序に、マントを直して刀を隠した。
「女にしては丈夫ですねェ」
貴「まァ、…それなりに鍛えてるので」
痛みも引くと、ある事に気がつく。―――−−黒い服に腰の刀。彼等2人は”真選組”だ。
「お前それ、刀だろ」
そして同様に、彼等も難なくAの刀に気がついた。
「総悟、捕まえろ」
貴「・・・え?」
貴「わァ、嘘でしょッ」
総悟と呼ばれた男がAのマントに手を掛ける。
当然Aも反抗して破れそうな程に引っ張り合うが、呆気なく剥がされてしまった。
「お前さん、」
「廃刀礼知らねェのか?」
貴「ちょっと存じ上げないですねェ」
じりじりと向かってくる男。
Aも刀を隠す様にして、じりじりと後ろに下る。
「大人しく同行しろ」
後ろで見ている男が悠長に煙草を咥えると、Aの中で開戦の合図が鳴った。
.
.
.
141人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時