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「お前、危ねェぞ」








屋根の上だという事も忘れて思い出した今朝に浸っていたら、我に返った頃には遅く、地面は目の前。

「しまった…!!!」なんて声を出しても、地面と衝突した鈍い音に消された。






「派手に落ちましたねェ」



「生きてるかァ?」)






近寄ってくるのはジャリの足音と2種類の声。
痛さに耐えながら上半身を起こし、差し出された手に掴まった。






貴「ありがとうございます」

貴「あ、すみません」






引き立たせて貰ったら思ったよりも距離が近かく、慌てて後ずさり。
フードを確認する序に、マントを直して刀を隠した。







「女にしては丈夫ですねェ」



貴「まァ、…それなりに鍛えてるので」






痛みも引くと、ある事に気がつく。―――−−黒い服に腰の刀。彼等2人は”真選組”だ。






「お前それ、刀だろ」




そして同様に、彼等も難なくAの刀に気がついた。






「総悟、捕まえろ」



貴「・・・え?」

貴「わァ、嘘でしょッ」






総悟と呼ばれた男がAのマントに手を掛ける。
当然Aも反抗して破れそうな程に引っ張り合うが、呆気なく剥がされてしまった。






「お前さん、」

「廃刀礼知らねェのか?」



貴「ちょっと存じ上げないですねェ」






じりじりと向かってくる男。
Aも刀を隠す様にして、じりじりと後ろに下る。






「大人しく同行しろ」






後ろで見ている男が悠長に煙草を咥えると、Aの中で開戦の合図が鳴った。









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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時

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