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一通り近況を聞いて、Aも足を伸ばすようにしてベットで寛ぎ始める。
そんなAの腰に神威が手を回す。
春雨に入ってからは日常茶飯なのでAも抵抗しながい、徐々に不満を口にし始めた。
貴「ねェ神威」
神「んー?」
貴「あんまり部屋に出入りしないでよ」
神「え、凄く今さらだね」
神「てか今日来たのも1週間ぶりぐらいだけど」
貴「…そうなんだけど」
貴「あのね、今日言われたの」
貴「神威の女なのかってさァ」
微かに腕に力が強くなったが、Aは携帯を触りだす。
神「ふーん」
神「それでなんて答えたの?」
貴「なんかムカついたから」
貴「だったらどうすんの。て言った」
神「・・・へェ。否定しなかったんだァ」
貴「んー。そういえばそうかも」
体制がキツイのかAは携帯をいじったまま、神威持たれかかる。
自然と近づいた2人の顔の距離。
神「じゃァ、俺ら付き合ってる事になってるの?」
貴「そうかもね」
貴「次に合ったとき否定しておく」
神「いや。・・・いいよ」
そう言うと、神威はAの手から携帯を奪う。
そこで要約自分達の距離に気が付いたAは、慌てて神威から体を離そうとする。
だが、そんなAを力で抑え、絹の様なAの髪に指を滑らせ遊ぶように撫でる。
貴「神威っ、近い」
神「ねェA」
貴「ん、ちょっ」
神「俺思うンだよね」
貴「は?何がっ?」
神「もうさァ」
神「そういう事でいいンじゃないかって」
いつもより低い神威の声がAの脳裏に響く。
なぞられた唇が熱を持ち、瞳が湿気を帯びていく。
貴「か、むいっ」
貴「何。・・・言ってるの?」
声の震えで一筋の雫が頬を伝う。
すると、それを合図に体全体が震え始めた。
だが、神威はそれに気がつくことは無く、Aの瞳を自分で一杯にした。
神「俺たち、きっと相性イイよ」
神「―――−− A」
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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時