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目が覚めると高杉の姿は無かった。

変わりに、天蓋の奥には高杉よりも数倍大きな影が見え、影はAに気がついたのか、近づいてくる。その際、本でも読んでいたのだろうか、紙がすれる音が聞こえた。






猩「気分はどうだ?」


貴「…良くなった」






影の正体は猩覚で、見えた机の上の本の表紙には"人の病気"と書かれていた。






猩「コレ。…飯なんだがァ」

猩「たぶん美味いと思う」

猩「薬も貰ってきたから食ったら飲めよ」






どこか不安気に出された、まだ湯気の立つお粥。
口ぶりから猩覚が作ったものだと分かった。


溜まらず笑うと対照的にキョトンとする猩覚だったが、それすらも柄にも無く可愛いと思った。





猩「な、なんだよ」

猩「なんか間違ってたか?」



貴「ううん。大丈夫」

貴「何も間違ってないよ」

貴「ただ、こういうの久しぶりで…」

貴「凄く嬉しい!」








そう言って抱きつくAに恥ずかしさを覚える猩覚だったが、それでも元気になった姿に抱きしめ返した。









貴「ありがとう。猩覚さん」



猩「…ん、」










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作者名:み子 | 作成日時:2016年7月26日 20時

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