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貴「春人!?」








ギリと歯を鳴らし、春人は部屋を出て行ってしまった。

その心情に気がついていないのはAだけで、咄嗟に追いかけようと立ち上がる。








銀「A、」

銀「元々は4人で食う約束だろ」



貴「そう、だけど…」








それでもやっぱり春人の事は心配で、Aは春人を追いかけた。
だけどこの時、銀時の言うとおり放っておいたら良かったんだと、Aは後悔し続けている。









*



貴「春人…!!!」

貴「どうしたの?」








川に続く道は行きなれているけど、夜だとやっぱり見えにくい。
それでもAは夜目を凝らして、直に春人を見つけた。








春「…姫、」

春「追いかけてくれたんだァ」








そして違和感にも気がついた。








春「嬉しいなァ」

春「俺を選んでくれたんだァ」



貴「春、人?」

貴「何言ってるの?」








微かに香る、血の匂いにも気がついた。








春「やっぱり姫はァ、俺の…!!!」

春「っ俺の姫だね…!!!」








だけど気づく事が出来なかった。








貴「春人ッ」

貴「苦しい、よッ」



春「もうちょっと…!!!」

春「もうちょっとだけっ」








痛いくらい苦しいくらいに、Aを抱きしめる春人の笑顔の意味に。






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作者名:み子。 | 作成日時:2017年1月23日 17時

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