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高「A、」
貴「ん、…なァに?」
高「コレやる」
朝一番、高杉が寝起きのAの首に付けたのは、スミレ色の宝石がついたネックレス。
貴「ありがと」
高「似合ってらァ」
満足そうに頬を撫る高杉。
高杉がAにプレゼントを贈るのは珍しい事ではないが、どうしてだか肌に触れるネックレスの冷たさが、何かの予兆みたいに感じた。―――そしてそれは、的中する。
*
神「久しぶりだね、…A」
前触れがあっても、固まらなかった気持ち。
神「えっと、」
神「…隣、いい?」
どこもかしかも余所余所しく、2人の間に流れる空気はぎこちない。
目を合わせる事無く、Aは頷いた。
神「あぁ…っと、A」
貴「何?」
神「え、?」
神「えっと、ですねぇ…」
また黙りこくってしまった神威は、きっと今は全てに自信が無いのだろ。
神「…A」
神「あの、だからっ」
それは良くも悪くも10代特有の感情で、良くも悪くも自分を変化させる。
いわゆる成長過程。
神「だからっ…その、」
そしてAにもそんな経験があったからこそ、黙って待ってる。
神「……っごめ、ん」
神威は自分とは違って乗り越えられると、そう思っていたからだ。
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作者名:み子。 | 作成日時:2017年1月23日 17時